1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454191
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
倉田 毅 国立予防衛生研究所, 病理部, 部長 (50012779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 琢也 国立予防衛生研究所病理部, 室長 (90146027)
高阪 精夫 国立予防衛生研究所, 筑波医学実験用霊長類センター, 室長 (80072924)
小島 朝人 国立予防衛生研究所, 病理部, 室長 (30100077)
佐多 徹太郎 国立予防衛生研究所, エイズ研究センター, 室長 (00162397)
山西 弘一 大阪大学微生物病研究所, 麻疹部門, 教授 (10029811)
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Keywords | フィロウイルス / エボラ出血熱 / カニクイザル / 非人類霊長類 |
Research Abstract |
近年米国で(1989),フィリピンから輸入された非人類霊長類(NHP)・(カニクイザル)が検疫中に大量に死亡し,剖検材料からエボラウイルスに酷似した抗原性をもつフィロウイルスが分離された。このウイルスのヒトへの病原性は全く不明である。今回は,1976年に既にアフリカで分離されているザイ-ル株とス-ダン株,および米口のNHPから分離されたレストン株を用いて,わが国に輸入されているNHPの抗体保有状況について検討した。NHP由来レストン株は,アフリカ由来の2株と抗原性において強く交差反応を示す。米国防疫センタ-の協力で,アトランタの最高度安全施設で作成された上記ウイルス感染細胞(CO_<60>で不活化したもの)を用いて、免疫蛍光法によりNHPの血清抗体測定を行なった。わが国へ10年以上前に輸入されたインドネシア産カニクイザルで386頭中95頭(24.6%)が陽性で,近年フィリピンより輸入されたものでは429頭中8頭(1.9%)が陽性であった。その他アカゲザル,アフリカミドリザル等6種のNHPの1095頭中108頭(9.9%)で陽性であった。最底抗体価立1:16として検索した。10年以上前のフィリピンのNHPには全く抗体陽性測はみられてはいない.また陽性インドネシアNHPにおいても米口で報告されているような出血熱様疫患は知られてはいないし,死亡例もなかった。米国でも,NHPの航空貨物としての取扱いを丁ねいかつ厳害にすることにより死亡は激減しており,1989年秋の大量死亡の解釈には,ウイルス採間の疫象性の差等,検討されねばならぬ点も多い。
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