1993 Fiscal Year Annual Research Report
腎障害の進展阻止に関する研究---血圧および食事の影響
Project/Area Number |
03454221
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
猿田 享男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70051571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中元 秀友 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90180421)
鈴木 洋通 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129494)
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Keywords | 高血圧 / 腎障害 / 食塩 / 蛋白質 / 降圧薬 |
Research Abstract |
腎障害の進展阻止に関する研究の最終年度にあたるため、これまでの研究で明らかにされていない部分の検討と、研究の最終的なまとめを本年度は行った。 これまでの研究で腎障害の進展には、食塩と蛋白質の摂取量と高血圧とがきわめて重要であることを明らかにしてきた。その中で腎障害を伴った高血圧には、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とCa拮抗薬とが優れた効果を有することを明らかにしてきたが、その併用使用がどの程度効果的か明らかでない。そこで本年度は5/6腎摘高血圧自然発症ラツトにおいて、新しいCa拮抗薬であるアムロジピンと代表的ACE障害薬であるエナラプリルの単独効果および併用投与効果を検討した。両薬剤とも単独投与により有意な降圧効果と蛋白尿の減少効果および腎機能の憎悪防止効果を呈し、糸球体硬化および血管障害の進展をかなり阻止した。両薬剤間にはその効果に差がみられなかった。両薬剤の併用により、良好な降圧効果、蛋白尿の減少効果、さらに腎組織障害の進展が有意に抑制されたが、単独投与群との間に明らかな差はみられなかった。 腎臓障害を伴った高血圧患者での検討でも、ACE障害薬とCa拮抗薬の単独投与効果のほか、Ca拮抗薬の投与にbetaやalphabeta遮断薬あるいはACE障害薬の併用投与効果を検討した。Ca拮抗薬を行先させておくと、betaあるいはalphabeta遮断薬の併用により有意な降圧効果が生じても腎機能を悪化させることが少なく、しかもbetaあるいはalphabeta遮断薬によりレニン・アンジオテンシン系の抑制効果がみられ、優れた併用効果を発揮することが多かった。ACE障害薬の併用も優れた降圧効果を示し、蛋白尿の減少効果と腎保護作用とを発揮した。観察期間が1年未満でありなお検討していく必要があるが、今後推奨される治療法と考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Saruta T.er al.: "Efficacy of manidipine in the treatment of hypertension with renal impairment." Am.Heart J.125. 630-634 (1993)
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[Publications] Ikenaga H.et al.: "Enzymuria in non-insulin-dependent diabetic patients:signs of tubular cell dysfunction." Clin.Sci.84. 469-475 (1993)
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[Publications] Ikenaga H.et al.: "Role of NO on Pressure-natriuresis in Wistar-Kyoto and spontaneously hypertensive rats." Kidney International. 43. 205-211 (1993)
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[Publications] Kanno Y.et al.: "Effects of amlodipine in 5/6 nephrectomized spontaneously hypertensive rats." J.Cardiovasc.Pharmacol.(in press). (1994)