1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454322
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 敞 山口大学, 医学部, 教授 (20026834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
韓 正根 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (00234146)
丹黒 章 山口大学, 医学部, 助手 (10197593)
浜中 裕一郎 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (40189618)
岡 正朗 山口大学, 医学部, 助教授 (70144946)
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Keywords | 膵頭十二指腸切除 / 胃膵相関 / 膵広範切除 / 膵再生 / 膵機能 / 胃切除 / 消化管ホルモン / 栄養 |
Research Abstract |
昨年度までの実験で、膵広範切除を施行し、これに胃全摘を付加すると、胃温存群に比して耐糖能もインスリン分泌もともに障害が強く、残膵のラ島変性も顕著であることを知った。また臨床例で幽門輪温存膵頭十二指腸切除(PPPD)後のガストリンおよびCCK分泌は従来の胃合併膵頭十二指腸切除(胃合切PD)後に比し有意に良好であることも明らかにした。今回はこれらの事実を別の角度から再確認すべく新しい検討を試みた。 1.実験的検索 雄性ウイスター系ラットの胃より十二指腸総胆管開口部まで連続切除をし、術後38日目に^3H thymidineを腹腔内投与して膵を摘出した。これら膵の体重100g当りの重量、DNA、RNA、蛋白含量を測定したところすべて対照群に比し低値を示した。一方同様膵摘出前10日間に亙りペンタガストリン1mg/kg/日の筋注を加えたところ上記全指標は有意な改善を示し、^3H thymidineの膵DNAへのとり込みも高値を示した。 以上のように胃十二指腸を切除するとガストリンを含む内因性物質の欠落などを介して膵に退行性変化がもたらされ、この変化は外因性ガストリン投与により十分防止されることが判明した。 以上の成績は、PDに際して胃より十二指腸近位側までを連続的に温存することにより切除残膵に対して栄養効果に似た好影響が及ぶ可能性を示唆するものである。 2.臨床的検索 PPPDまたは胃合切PD患者のうち、著明な合併症なく経過し目下再発所見もなくかつIVHを中止して少なくとも30日以上が過ぎて経口摂取のみで栄養を補給しているものを抽出し各種栄養指標を比較した。その結果両術式間で体重変動、血清蛋白、アルブミン値に差はないが、血清コレステロールおよびrapid turnover protein値の低下はPPPD群においてより軽度に留っており、かかる効果発現機序のひとつとして残膵因子が関与している可能性も否定できないと思われた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Inoue K,Suzuki T et al.: "Microcirculatory response of the pancreas to feeding,sham feeding,and truncal vagotomy in conscious dogs." Pancreas. 8. 28-33 (1993)
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[Publications] Tangoku A et al.: "Humoral factors that induce alterations of the pancreas in rats with obstructive jaundice." Pancreas. 8. 103-108 (1993)
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[Publications] Tangoku A et al.: "Exogenous administration of estradiol and cholecystokinin alters exocrine pancreatic function in rats." Int.J.Pancreatol.13. 81-86 (1993)
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[Publications] Ueno T,Suzuki T et al.: "Xanthogranulomatous change appearing in the pancreas cyst wall." Pancreas. 8. 649-651 (1993)
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[Publications] 浜中裕一郎、鈴木敞: "胃幽門輪温存術" 手術. 47. 169-174 (1993)
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[Publications] Suzuki T et al.: "Pylorus-preserving pancreatoduodenectomy in Japan:history and present status. (In press)" J.Hep.Bil.Panc.Surg.2. (1994)
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[Publications] Suzuki T et al.: "Pitfall and Complications in the Diagnosisi and Management of Hepatobiliary and Pancreatic Diseases" Georg Thieme Verlag, 537 (1993)
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[Publications] 鈴木敞 ほか: "消化器外科学" 朝倉書店, 495 (1993)