1991 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔ガス汚染空気の活性炭ベルトによる新淨化法の研究
Project/Area Number |
03454381
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
新井 豊久 藤田保健衛生大学, 医学部・麻酔学教室, 教授 (10084568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 啓 藤田保健衛生大学, 医学部・麻酔学教室, 講師 (40179015)
浦野 博秀 藤田保健衛生大学, 医学部・麻酔学教室, 助教授 (56080979)
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Keywords | 麻酔ガス汚染 / 活性炭 / 麻酔ガス吸着 / 汚染対策 / 吸入麻酔薬 |
Research Abstract |
現在、手術室空気の麻酔ガス汚染を防止する方法は、第一に全ての麻酔器に麻酔ガス排除装置を付け、第二に部屋の換気に100%非再循環方式を採用することである。この両者が揃ってこそ汚染度は1/10以下にしうる。一方のみでは、不完全で、特に後者が重要であることは、一般にあまり知られていない。この非再循環方式の空調は、大型の装置と莫大なランニング・コストがかかり、エネルギ-の浪費とも言えるもので、普通、大病院のみで採用されているに過ぎない。また大病院でもバイオクリ-ン・ル-ムでは今でも再循環方式を取らざるをえない。中小以下の病院では、再循環方式が殆どで、汚染防止は不完全のまゝと言ってもよい。本研究は、再循環式空調を手術室に採用した場合に、再循環空気を活性炭ベルトにより淨化し、小さな病院でも汚染対策が完全になるようにしたいと考えている。再循環式の方が、装置や維持費も経済的であるばかりかフィルタ-の通過回数が多く、塵埃や浮遊細菌も少なく、むしろ手術室の空調としては、ガス汚染のことを除けば、理想に近い。本研究では、先ずこの活性炭ベルトに用いるのに最も適した活性炭の探求と低濃度の麻酔ガスや蒸気が活性炭に対して果して吸着されるかどうかの研究が必要になった。即ち活性炭はガス濃度が低い程吸着性が低下するからである。既に予備実験で各種活性炭(GG,GA,GGーF,クラシ-ト,クラクティブ)の笑気、ハロセン、エンフルランに対する等温吸着曲線を検討すると、後二者は私どもが対象としている様な低濃度でも吸着性があること、吸着性が小とされる笑気には特異な吸着曲線のあることを発見した。更に破過曲線も検討し、私どもの目的には活性炭線維クラクティブが最良でこれをベルトに使用することを決定した。一方この活性炭のエンドレスベルトを再循環空気のダクト内に通し,低速モ-タ-で動かし、汚染空気を淨化する装置を工夫・設計し、着々と製作中。
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