1991 Fiscal Year Annual Research Report
着床期におけるヒト初期絨毛細胞と子宮内膜細胞の相互作用に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
03454397
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 講師 (90093418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 義弘 大阪大学, 医学部, 助手 (30231351)
大橋 一友 大阪大学, 医学部, 助手 (30203897)
古山 将康 大阪大学, 医学部, 助手 (00183351)
松崎 昇 大阪大学, 医学部, 助手 (30199781)
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Keywords | 着床 / 子宮内膜 / zymography / 細胞外マトリックス / 胎盤絨毛細胞 |
Research Abstract |
ヒト初期胚の着床過程において、初期絨毛と子宮内膜細胞の相互作用について検討した。 (1)子宮内膜細胞における細胞外マトリックスとこれを分解するプロテア-ゼ(MMP) 子宮内膜癌細胞および子宮内膜細胞におけるMMPの発現を基質含有ポリアクリルアミド電気泳動法(zymography)を用いて検討し、癌細胞では正常子宮内膜と異なるタイプの92KDゼラチナ-ゼが強く発現していること及び正常子宮内膜では72KDと92KDゼラチナ-ゼの発現パタ-ンが性周期によって変化していることを明らかにした。 (2)子宮内膜における細胞外マトリックス(ECM)の分布 基底膜の細胞外マトリックス(ラミニン、IV型コラ-ゲン)及び間質の細胞外マトリックス(フィブロネクチン、ビトロネクチン)に対するモノクロ-ナル抗体を用いてこれら細胞外マトリックスの子宮内膜における局在を免疫組織学的に検討したところ、ラミニン、IV型コラ-ゲンともに内膜腺上皮の基底膜と間質細胞周辺のマトリックスに存在した。フィブロネンチン、ビトロネクチンは子宮内膜の間質全体および内膜腺上皮の基底膜部分に局在した。なおICAMー1は脱落膜した子宮内膜の間質部に陽性細胞が教見され、tenascinは内膜腺上皮基底膜部分に局在した。 (3)胎盤絨毛細胞と細胞外マトリックス 初期胎盤から分離し単細胞化した絨毛細胞はフィブロネクチンを被覆したシャ-レに特異的に接着し、in vivoでの胞胚着床過程にフィブロネクチンが関与していることを示唆した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Takemura,C.Azuma et al: "Malignant Cell Specific Gelatinase Activity in Human Endometrial Carcinoma" Cancer. (1992)
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[Publications] M.Koyama,F.Saji et al: "Differential mRNA expression of three distinct classes of Fcγ receptor at the fetoーmaternal ingerface" J.Reprod.Immunol.20. 103-113 (1991)
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[Publications] F.Saji and M.Matsuzaki: "Cellular and Molecular Biology of the MaternoーFetal Relationship" G.Chaouat,J.Mowbray.ed., (1991)