1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454415
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
猪俣 孟 九州大学, 医学部, 教授 (30038674)
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Keywords | フォークト・小柳・原田病 / ぶどう膜炎 / ベーチェット病 / 視細胞間結合蛋白 / 血管新生黄班症 / 眼内血管新生 |
Research Abstract |
本研究はフォークト・小柳・原田病の病因と発症機序について、臨床および実験病理学的に明かにし、本症の予防および治療法の確立に寄与することを目的としたものである。 1)フォークト・小柳・原田病は再燃を繰り返した場合には、網膜脈絡膜の著しい変性や網膜下の血管新生を伴った増殖組織を形成して、視機能が著しく低下する。すなわち、炎症の再燃の有無が本症の視力予後に重大な関係をもっている。そこで、実験的に眼内炎症を繰り返し起こさせるために視細胞間結合蛋白(IRBP)を構成するペプタイドの一部(R4)をラット足蹠に注射して、実験的自己免疫ぶどう膜炎モデルを作成した。 【.encircled1.】実験的に眼内炎を繰り返すことによって脈絡膜新生血管が発生した。眼内炎症の再燃によって眼内血管新生を起こすことができたので、これは今後本症の後期合併症の研究に有益な実験動物モデルになりうる。 【.encircled2.】フォークト・小柳・原田病の臨床所見および病理学的特徴について総説にまとめた。 2)眼球内では、角膜、前房、硝子体、網膜下などは生理的な状態で無血管である。眼内炎症では、これらの無血管組織に新生血管が形成されて、眼組織の構築が破壊され、重篤な視機能障害を起こす。そこで、臨床的および実験病学的に眼内血管新生の機序について検討した。 【.encircled1.】ベーチェット病患者の23例25眼の摘出眼球を病理学的に検討し、眼内血管新生が鋸状縁から起こり易いことを明らかにした。 【.encircled2.】コラーゲンゲル上に牛網膜血管内皮細胞を培養した。ゲル内部で内皮細胞による管腟形成が行われた。この管腟形成の状態を組織学的に観察し、内腟形成過程を明らかにした。また、管腟形成はbasic Fibroblast Growth Factor(bFGF)で促進されることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Sakamoto T: "Intercellular adhesion molecule-1 on rat corneal endothelium in experimental uveitis" Experimental Eye Research. 56. 241-246 (1993)
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[Publications] Ishibashi T: "Morphologic study of angiogenesis in vitro" In Vitro Cellular & Developmental Biology. 29A. 91-93 (1993)
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[Publications] Murata T: "Experimental rat model of neovascularization arising from the optic disk" Ophthalmic Research. 25. 157-161 (1993)
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[Publications] Ishibashi T: "Ultrastructure of retinal vessels in diabetic patients" British Journal of Ophthalmology. 77. 574-578 (1993)
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[Publications] Kohno T: "Ocular manifestations of adult T-cell leukemia/lymphoma.A clinicopathologic" Ophthalmology. 100. 1794-1799 (1993)
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[Publications] Moorthy RS: "Vogt-Koyanagi-Harada syndrome" Survey of Ophthalmology. 77 (印刷中). (1994)
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[Publications] Inomata H: "Vasculitis and intraocular neovascularization in Behcet disease:hisatopathology of the early and advanced late stages" Kugler Publications, 632 (1993)
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[Publications] Rao NA: "Vogt-Koyanagi-Harada syndrome" Mosby Year Book (印刷中), (1994)