1992 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性肝炎発症LECラットを用いたウイルソン病解明へのアプローチ
Project/Area Number |
03454499
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部, 教授 (60001765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 千鶴子 北海道大学, 理学部, 教務職員
増田 隆一 北海道大学, 理学部, 助手 (80192748)
阿部 周一 北海道大学, 理学部, 助教授 (80125278)
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Keywords | ウイルソン病 / LECラット / 肝炎 / 肝癌 / 銅代謝 / 連鎖 |
Research Abstract |
1.LECラットの肝臓には銅の蓄積がみられ、この銅蓄積は肝炎発症と密接に連鎖し、hts遺伝子とは3cM以内と思われる結果がえられた。 2.LECラットにおけるセルロプラスミン(CP)遺伝子構造を分析した。転写活性部位の2.2Kbpの塩基配列を分析した結果、7箇所に塩基配列の置換がみられ、そのうち2箇所がアミノ酸置換を起こす変化であった。しかしながら、LECラットにおけるCPのmRNAおよびタンパク合成は他系統ラットのそれらと変化がなく、CP遺伝子の構造変化はCP低活性との直接の関連性は低く、むしろ塩基配列の置換はラットにおける多型性の可能性が示唆された。 3.CP遺伝子が肝炎発症遺伝子htsと連鎖しているか、(LEC×WKAH)F_1のbackcrossラットを用い分析した結果、hts遺伝子はCP遺伝子との連鎖はないことが分かった。 4.ウイルソン病はRBおよびESD遺伝子との連鎖がみられるので、LECラットにおいてこれら遺伝子との連鎖分析を行った。RB、ESDともにhts遺伝子との組換え率が高く、近接な連鎖はないとの結果がえられた。ラットのESDおよびRB遺伝子はともに第15染色体上にあり、この染色体は両腕染色体であるので、高組換え価はこの染色体の形態を反映している可能性も考えられ、これら遺伝子の染色体マッピングをおこなっているところである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.Hirashima,Ovo,T.Yoshida,M.C.: "Nucleotide sequence of the thivd cytokine LD78gene and mapping of all thiee LD78gene loci to human chromosome 17" DNA Sequence. 3. 203-212 (1992)
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[Publications] Sone,H.… Yoshida,M.C.…: "Genetic linkage between copper accumulation and hepatitis/hepatoma developmeut in LECrats" Molecl.Carcinogenesis. 5. 199-204 (1992)
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[Publications] Kasai,N.,… Yoshida,M.C.: "Efficts of sex hormones on fulninaut hepatitis in LECrats:Amodel of Wilson's disease." Lab.Anim.Sci.42. 363-368 (1992)
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[Publications] Yoshida,M.C.: "Receut advances in fluoresceuce in situ hipraidization" J.RAdiat.Ras.Suppl.33. 54-60 (1992)
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[Publications] Sofuni,T.and Yoshida,M.C.: "Conibined use of seve.ral mitogensfol mitotic stimulation to human lymphocytes" J.Radiat.Res.Suppl.33. 223-230 (1992)
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[Publications] 吉田 廸弘: "性染色体の進化" 小児内科. 24. 5-11 (1992)
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[Publications] 吉田 廸弘(村松正実編): "医科分子生物学" 南江堂, 479 (1992)
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[Publications] 吉田 廸弘: "臨床遺伝医学III(古庄,外村,清水,北川編)" 診断と治療社, 643 (1993)