1992 Fiscal Year Annual Research Report
血友病患者におけるFVIII/vWF複合体の構造と機能の解析
Project/Area Number |
03454507
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
福武 勝幸 東京医科大学, 医学部, 教授 (40192306)
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Keywords | 血友病A / フォンヴィルブランド病 / 第VIII因子 / フォンヴィルブランド因子 / 時間分解蛍光光度計 |
Research Abstract |
血液凝固VIII因子/フォンヴィルブランド因子の異常は、これまで血友病Aおよびフォンヴィルブランド病として扱われてきた。しかし、これらの凝固因子の蛋白の分析が進むにつれて、単に蛋白の先天性欠損症ではなく、種々の構造異常を伴ういくつかの病型に分類されなければならない複雑な病態であることが明らかになってきた。すなわち、VIII因子の機能異常の原因として活性部位の欠損、トロンビンによる活性化の不良、リン脂質との結合の不良など凝固反応の場における複合体形成の異常、フォンヴィルブランド因子(vWF)とVIII因子との結合不良などがある。 8因子抗原、フォンヴィルブランド因子抗原、FVIII/vWF複合体およびFVIII/vWF複合体形成能の測定はこれまでのELISA法により高い感度が得られる時間分解蛍光高度計を用いた蛍光法を開発した。VIII因子とフォンヴィルブランド因子の複合体形成能を調べるためにFVIII/vWF複合体の測定法を応用した2法を開発した。すなわち、VIII因子としてリコンビナントVIII因子を用い、フォンヴィルブランド因子と液相中で反応させて複合体の形成を上述の方法で測定する方法と抗8因子モノクローナル抗体を固相化したプレートにリコンビナントVIII因子を結合させた後、プレート上でフォンヴィルブランド因子を反応させ、結合したフォンヴィルブランド因子を測定する方法である。これらの方法については現在基礎的検討中であるが、抗VIII因子抗体による複合体形成阻害試験で抗体の性質により複合体の形成が阻害されることが明らかになっており、本法が本研究に応用可能であることを確認した。 今後これらの測定法を組み合わせてFVIII/vWF複合体形成の形成異常について研究を進める。
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