1993 Fiscal Year Annual Research Report
血友病患者におけるF.VIII/vWF複合体の構造と機能の解析
Project/Area Number |
03454507
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Research Institution | Tokyo Medical College |
Principal Investigator |
福武 勝幸 東京医科大学, 医学部, 教授 (40192306)
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Keywords | VIII因子 / フォンヴィルブランド因子 / 血友病A / フォンヴィルブランド病 / ポリモルフィズム / PCR / point mutation |
Research Abstract |
血液凝固VIII因子とフォンヴィルブランド因子の異常は、これまで血友病Aおよびフォンヴィルブランド病として扱われてきた。これら凝固因子の蛋白の分析が進むにつれて、これらの異常は、単に蛋白質の先天性欠損症ではなく、種々の蛋白構造異常を伴う複雑な病態であることが明らかになってきた。特に、Maznrierらにより発見されたVIII因子結合能が欠如する異常フォンヴィルブランド因子Normandy variantは血友病Aとフォンヴィルブランド病の病型分類における複雑な関係を再確認させた。 VIII因子に対するヒト抗体の作用を検討し、そのVIII因子上のエピトープを解析することにより、VIII因子蛋白の機能とフォンヴィルブランド因子との関係を検討した。この結果、L鎖を認識する抗体のエピトープはC2ドメインに存在し、これらの抗体はVIII因子単独に対してVIII因子とフォンヴィルブランド因子の複合体に対してよりも強く働くことが判明し、複合体の形成がこのエピトープ近傍に変化をもたらすものと推測された。 フォンヴィルブランド因子については、重要な機能を発現する部位であるexon28についてフォンヴィルブランド病typeII患者の解析を行い、2種類のポリモルフィズムを発見し、疾患の診断に有用であことを見出だした。さらに、19例のフォンヴィルブランド病患者のフォンヴィルブランド因子遺伝子からexon1,exon18,exon19,exon20,exon28,exon35,exon36,exon44,exon48についてPCR法により増幅し、制限酵素MspI、AluI消化とMutation Detection Enhancement(MDE)gels electrophoresis による解析を行った。この研究からフォンヴィルブランド因子遺伝子exon28内に6種のpoint mutationを発見したが、この他のexonには何等のpoint mutationを発見出来なかった。一方、40症例の血友病A患者については、Normandy variant を示すexon20のcodon854におけるmissense mutationの検索を行ったが一例も発見できなかった。
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Research Products
(1 results)