1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454509
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
七田 惠子 東京都老人総合研究所, 看護学部門, 室長 (80072990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 弘子 東京女子医科大学, 付属看護短期大学, 助手 (60220216)
巻田 ふき 東京都老人総合研究所, 看護学部門, 研究員 (90219303)
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Keywords | 痴呆性老人 / ケア / 身体症状 / 精神症状 / 問題行動 |
Research Abstract |
痴呆性老人のケアにおいて、看護婦に求められているのは、健康関題のアセスメントについてである。そこで研究の進め方として(1)重篤な身体の状態の徴候として表れる全身症状に着目し、老人専門病院のケ-ス記録から、全身症状が悪くて精神症状や問題行動があるもののチェックを行った、(2)文献から情報を収集した、(3)対応の実際について、特別養護老人ホ-ムおよび老人専門病院の看護婦らと検討会をもった、(4)地域在住老人1823名についての自覚症状調査を行った。 その結果、老人の全身症状に強く関係する心身の徴候は、(1)元気がなくなる…行動、会話、表情の変化など、(2)食べなくなる(食思不振)…徐々に、急激に、(3)眠れない、あるいはいつもウトウトしている、(4)不穏、せん妄…意味不明の言葉など、(5)失禁といった項目であることがわかった。どの疾患においてもこれらの徴候が認められ、さらに痛みや麻痺といった全身症状でない部分的な症状が重なることが明らかになった。また、症状の観察には、それが、(1)身体状態の悪化によるものか、(2)異常な精神状態から発生するのか、(3)日常生活の中で生じるのか、(4)ケアが適切でないためか、(5)環境要因によるのか、といった多面的視点が必要であると考えられた。この視点でチェックリストを作成し、老人の身体的な変化とこれらの全身症状の徴候が、いつ頃から、どのような現れ方をしているのかについてチェックしている。 さらに、地域在住老人1823名につき、ぼけ症状の有無と便秘傾向について調べた。排便回数が4日に1回か、それ以上少ない老人では便秘傾向のないものに比し、「外出して道に迷う」、「家族の名前もわからない」といったぼけ症状を示すものが多い結果であった。
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