1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454509
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
七田 恵子 (財)東京都老人総合研究所, 看護学部門, 室長 (80072990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 弘子 東京女子医科大学看護短期大学, 助手 (60220216)
巻田 ふき (財)東京都老人総合研究所, 看護学部門, 研究員 (90219303)
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Keywords | 痴呆性老人 / 評価法 / 健康状態変化 / 生活変化 |
Research Abstract |
痴呆性老人のケアのための評価は、看護婦が老人の状態変化をどのように捉え、どう判断しているかにある。そこで、特別養護老人ホームにおいて、痴呆性老人の健康状態の変化がどのように申し送られ、どのように記録されているかをチェックした。また、老人専門病院の精神科、脳神経内科、リハビリテーション科の看護婦にチェック項目に添ってその判断根拠に関する意見を求めた。 健康状態の変化は、全身像を現すところの表情や会話、意識状態、活動状態、あるいは日常生活の変化によって観察される。全身的な変化として医学で重要視される疲労感、倦怠感、脱力感などは、痴呆性老人のように自覚症状として的確に訴えることができない対象においては有効ではない。いつもとの違いを全身像や生活のさまざまな介助場面で気付き、その変化からバイタルサインや血液検査などをチェックしていく。 日常生活の変化は、日常の介助場面である食事、排泄、睡眠、歩行などで観察される。例えば食事は、量からの気付きや食べ方、食べている物の異常などがある。痴呆性老人は、身体状態の変化が痴呆の無い老人より現れにくく、食事量についてもかなり状態が悪化している場合であっても変化として現れにくい。そのため、便の状態、嘔吐、呑み込みの状態、バイタルサインのチェックなどと合わせて観る必要があろう。睡眠は、生活歴を配慮しながら一日の生活リズム全体から判断する。また、脱水や痛みなどの身体状態の悪化、夜ということが判断できなかったり、寝方がわからないための睡眠障害もある。精神症状とも互いに影響しあっていることが多く、両面からの評価が必要になる。清潔や整容は、社会性との関わりが強く、身体状態悪化時は最も早く変化が現れるが、回復には、最も遅く反応してくる。その他、排泄や歩行、身体的な症状や精神・心理状態、患者の気になる表現などをチェックした。
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