1991 Fiscal Year Annual Research Report
幼児・児童の歩行能力の発達の把握と、歩行の教材化の研究
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03454534
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
加賀谷 熈彦 埼玉大学, 教育学部, 教授 (20008717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 茂 埼玉大学, 教育学部, 教授 (90008706)
山市 孟 埼玉大学, 教育学部, 教授 (10008740)
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Keywords | 幼児・児童の歩行能力 / 歩行の経済速度 / 経済速度歩行中の歩数 |
Research Abstract |
本研究では、幼児、児童を対象に、各種速度でのトレッドミル歩行運動及び緩走運動に伴う呼吸循環系及びストライドの応答を測定して、幼児の歩行の特徴を求めた。次いで、得られた結果に基づき、幼児の歩行の指導のあり方を検討した。以下に概要を述べる。 1)歩行・緩走の「速度・歩幅・酸素需要量・身長相互関係」を、年齢別に検討した結果、若年齢者の歩行の特徴は、次のようであった。同一速度の歩行で、若年齢者は、他よりも大きな歩数と小さな歩幅で対応する。しかし、歩幅は、身長当りの値からいえば、他よりも大きい。一方、身長当りの歩幅の酸素需要量には他との違いはないので、同一速度に対する若年齢者の1歩当りの酸素需要量は大きくなり、さらに、歩数も大きいために、全体の酸素需要量も多くなる。 2)歩行の経済速度、歩行と走行の境界速度は、年齢の増加に伴って大きな値を示した。6歳幼児の経済速度は40ー45m/分であるが、11ー12歳児童の同速度は50ー55m/分に増加する。 3)経済速度歩行中の歩幅は、年齢の増加にしたがって大きな値を示した。しかし、その歩幅の身長当りの値(歩幅/身長)は、年齢に関係なく、38%前後の値を示した。 4)経済速度歩行中の歩数は、年齢と関係なく、100ー110歩/分という値が得られた。したがって、歩行の経済速度の年齢増加にしたがう増大には、身長発育による脚長の伸長が大きく関わるものと推測できる。 5)上述の3)4)の結果により、歩行の基礎的運動様式は6歳の時期にはほぼ形成されるものと推測され、したがって、歩行の意図的指導は、この時期に始めるのがよいと思われる。しかし、その指導の仕方については、幼児の精神的発達や諸運動能力の発達の特性にあわせた内容を検討する必要があろう。
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Research Products
(1 results)