1991 Fiscal Year Annual Research Report
化学気相成長法によるダイヤモンド高速合成装置の試作
Project/Area Number |
03555024
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 昌範 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 尚登 東京工業大学, 工学部, 助手 (40213756)
戸倉 和 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10016628)
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Keywords | ダイヤモンド / 化学気相成長 / ア-ク放電 / プラズマジェット |
Research Abstract |
1つの陰極と3つの陽極をもったア-ク放電装置を設計,試作し,大気解放状態でアルゴンのプラズマジェットを発生できることを確認した.また,反応容器について,大面積へのダイヤモンド合成を鑑み,設計,試作を行った. 試作したア-ク放電装置,反応容器を利用を組み上げ,ガス給排気系統,冷却水系統を取り付けて,ダイヤモンド合成装置を完成させた.この装置は,雰囲気圧力を合成時の200Torr程度まで下げてプラズマを発生しても安定したプラズマ状態が得られた. 具体的に研究の進行上問題となったのは,陰極ノズルの径および陰極と陽極との放電距離の設定である.ノズル径については,6種類のノズル径のチップを試作して,最適なものを選定した.陰極と陽極の放電距離については,距離が大きすぎてプラズマが発生しなかったので,陰極,陽極を近づけられるように設計変更した. 次に,アルゴンのプラズマに原料ガスの水素,メタンを流入させてプラズマ状態を観察した結果,水素流量1L/min以下では安定したプラズマが得られることがわかった.この条件で,モリブデンを基板としてダイヤモンド合成を試みた結果,ダイヤモンドが合成できた.得られたダイヤモンドをX線回折,ラマン分光により分析した結果,不純物の少ないダイヤモンドであることがわかった. さらに,放電距離を変化させることによりプラズマジェット径変化させ,ダイヤモンドの合成を行ってその合成面積との関係を調べた.その結果,放電距離を大きくしてプラズマジェットの径を大きくすることにより合成面積が増加し,直径50mmのプラズマジェット径の場合には,直径60mmの基板上にダイヤモンドを合成することができ,本装置により大面積のダイヤモンド合成ができることがわかった.
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Research Products
(2 results)