1991 Fiscal Year Annual Research Report
高純度・多機能型ファインコンポジット設計のための多元系微細複合粒子の開発研究
Project/Area Number |
03555150
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
丹野 浩一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50042247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 牧男 ホソカワミクロン, 粉体工学研究所, 研究員
横山 藤平 ホソカワミクロン, 粉体工学研究所, 所長
渡辺 龍三 東北大学, 工学部・材料加工学科, 教授 (20005341)
田口 收 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (30042253)
小野 尭之 宮城工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (30005342)
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Keywords | 複合粒子 / メカノケミカル反応 / メカニカルブレンデイング / ファインコンポジット |
Research Abstract |
本研究は、偏析がなく機械的・物理的特性に優れた金属/セラミックス系ファインコンポジットを実現するため、核粒子と被覆層の接合界面の接合改善ならびに被覆層の組成を多層化した多元系被覆複合粒子を試作することを目的とする。はじめに核粒子にステンレス粒子を用い、これに部分安定化ジルコニアならびにSi_3N_4をそれぞれ被覆させたものを用意した。これにそれぞれ核粒子と同種のステンレス粉末やFe、Cu、Niなどの超微粉末などを被覆させ多層化を試みた。 その結果、予め一次被覆層を形成しているセラミックス層の組織が凝集状態であるか、固結状態であるかによって多層化の形態が異なるものの、目的とした多元系複合粒子を試作することに成功した。得られた主要な知見を以下にまとめる。 1、一次被覆層の状態が凝集層を呈している場合には、粒子分散型の多層複合粒子を得た。被覆過程はMA法のニ-デイング効果に類似した過程を経て被覆層内の粒子が微細化することもわかった。 2、一次被覆層の状態が固結層を呈している場合には変わり玉のような重層の被覆層をもった多層複合粒子となることがわかった。 3、互いに反応しやすい金属粉、たとえばFe-Niのようなものの被覆を試みたが、被覆過程で互いの反応により独自の凝集粒子を造り偏在し、現時点で多層複合粒子を得ることはできなかった。 これまでの研究結果からいろいろな多元系複合粒子を作成することができる可能性があることがわかった。このほかにも被覆過程や界面の接合状態にも極めて興味ある知見を得た。これらの複合粒子は真空中で作成されるので高純度で被覆層内部の空隙も少ない。今後は多元系複合粒子の安定化を図る計画である。
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