1992 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸受容体遺伝子を発現する培養細胞株の樹立
Project/Area Number |
03557005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小澤 瀞司 群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 利行 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (00109977)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / cDNA / 発現プロモーター / 遺伝子導入 / 培養細胞株 / パッチクランプ法 / fura-2 / カイニン酸 |
Research Abstract |
本研究の目的は非NMDA型グルタミン酸受容体サブユニットであるGluRl、GluR2、GulR3のcDNAを単独または種々の組合せで、グルタミン酸受容体チャネルをもたない哺乳動物の培養細胞のグロモゾームに組みこみ、グルタミン酸受容体チャネルをもつ培養細胞株を樹立することであった。昨年度の研究では、GluRlまたはGluR3cDNAとネオマイシン耐性遺伝子を組みこんだ発現ベクター(SRα GluRl NeoまたはSRα GluR3Neo)をラットグリオーマ由来のC6細胞に導入したが、この細胞でカイニン酸に対する電気生理学的反応を検出できなかった。今年度はこの理由を明らかにするための実験を行うとともに、引続き機能的受容体を発現する培養細胞株の樹立に努めたが成功には至らなかった。具体的な研究経過は以下の通りである。 1.GluRlまたはGluR3cDNAを導入したC6細胞で[ ^3H]AMPAに対する特異的結合を調べた。いずれの場合も微量ではあるが、AMPAに対する特異的結合が認められた。 2.GluRlまたはGluR3サブユニットからなるhomomeric receptorをアフリカツメガエル卵母細胞に発現させると高いCa^<2+>透過性を示す。そこで遺伝子導入を受けたC6細胞の細胞内Ca^<2+>濃度がカイニン酸によって上昇するか否かをfura-2法よって検討した。しかし高濃度のカイニン酸投与によっても細胞内Ca^<2+>濃度の上昇を示す細胞を見出すことはできなかった。 3.GluRl、GluR3遺伝子の導入を受ける細胞として、C6細胞の代りにNIH3T3細胞、PC12細胞、NG105細胞を用いること、また発現プロモーターとしてメタロサイオニンプロモーターを用いることを試みたが、いずれの場合にも機能的なグルタミン酸受容体チャネルを発現する細胞を得ることができなかった。
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[Publications] Tsuzuki,K.et al.: "Agonist-and subunit-dependent potentiation of glutamate receptors by a nootropic drug aniracetam." Molecular Brain Research. 16. 105-110 (1992)
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[Publications] 小澤 瀞司: "培養海馬ニューロンのグルタミン酸受容体チャネル" 神経精神薬理. 15(2). 109-117 (1993)
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[Publications] Ozawa,S.: "Glutamate receptor channels in hippocampal neurons." Japanese Journal of Physiology.