1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03610016
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Research Institution | Kacho Junior College |
Principal Investigator |
榎本 文雄 華頂短期大学, 一般教育, 助教授 (70151991)
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Keywords | 『雑阿含経』 / ペリオ写本 / 婆沙論 / 大毘婆沙論 / 中央アジア写本 / 説一切有部 / 根本説一切有部 / サンスクリット断片 |
Research Abstract |
1.『雑阿含経』の中央アジア出土サンスクリット写本を調査する過程で,これまでサンスクリット写本の存在が報告されていなかった『婆沙論』(玄奘約『阿毘達麿大毘婆沙論』と浮陀跋摩訳『阿毘曇毘婆沙論』の二つの漢訳で現存)サンスクリット写本断片をパリのペリオコレクションの中に発見し,ローマ字テキストと漢訳『婆沙論』の対応部を対照して,学会誌に公表した。このサンスクリット断片は,二つの漢訳『婆沙論』の何れとも伝承を異にする第三の『婆沙論』の一部であり,しかも,それらより初期の段階の『婆沙論』の可能性もあることが判明し,『婆沙論』の成立・発展史に関わる重要なテキストであることが分かった。この写本には『雑阿含経』の一部も二箇所引用されており,ここに『雑阿含経』のサンスクリット断片がまた二つ回収できる。 2.3年間の研究成果として,「研究目的・研究実施計画」に記したように,『雑阿含経』の各経ごとに,さらに経典の内部の文言にまで至って,『雑阿含経』の所属部派である説一切有部,ないし根本説一切有部に属するサンスクリット断片の対応箇所,この部派のサンスクリット文献への引用箇所やそれらの中に認められる対応箇所を網羅した一覧表を作成し,『雑阿含経』とそれらサンスクリットテキストとの異動を考察した研究成果報告書をまとめた。
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Research Products
(1 results)