1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03610175
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
三上 昭美 中央大学, 文学部, 教授 (50055084)
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Keywords | 府 / 県 / 鎮台 / 裁判所 / 政体書 / 府県統合 |
Research Abstract |
明治新政府は、成長戦争に墮し、慶応4年(1868)正月,浸収した旧幕府領のうち、大和・大坂・兵庫に鎮台を置いた。このうち大坂・兵庫鎮台が、同年紘判所と改称され、さらに長崎・京都・大津・横浜・箱根・笠松・新潟・但馬府中・佐賀・三河にも紘判所が置かれた。そして、同年間4月21日の政休書の中で、地方行政区画は府藩県となり、新政府の重視した京都・大坂・長崎・江戸・新潟・神奈川・度会・甲斐・奈良の9か所が府となって、その他は県となった。県は22である。この時の府県は、旧幕府領・皇室領・社寺領・佐藤諸藩の培収領が、府県や改称されたものである。この後、府県は整理統合を経て、明治4年(1971)7月の廃藩置県では藩が廃止されて県となり、東京・大阪・京都の3府と302県が成立した。それ以降、順次府県の廃置統合が行われ、同年10月には3府り2県となり、8年の末には3府59県となり、21年(1888)に至って、1道3府43県の区画が確定した。 これら明治初期府県の成立に至る経済及びその行政については、研究が未開拓であり、それら府県に関する史料の調査・収集がまず必要であり、平成3年度は、長崎・倉敷・深津・小田・京都・大坂及び函館などの府県に関する史料の調査を行い、必要史料を収集し、整理し、研究を進めている。特に新政府の中で、どの部門が誰が担当し、このような府県の行政を推定を行ったのかという点にも留意し、研究を進めている。 そのため、国立公記念館の所蔵史料や宮内庁書陵部の所蔵史料も調査しているが、この調査は府県関係史料の調査とともに継続中である。
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