1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03610250
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
河野 眞 愛知大学, 教養部, 教授 (20113053)
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Keywords | フォルク / ゲルマン性の連続 / 農耕ロマンティク / 沈降せる文化物象 / 象徴研究 / 儀式論者と神話論者 / ウィ-ン学派 / 言語島民俗学 |
Research Abstract |
研究成果のとりまとめは次年度以降におこないますので、以下では、今年度の研究の進捗について記します。ドイツ語圏の民俗研究にとって、ナチズム民俗学、ならびにそれへと逸脱するに至った専門学としての原理の脆弱性の克服は、戦後の学界の大課題であり、またそれが今日の展開を促したことは、申請にさいして言及しました。ドイツ民俗学界がそれに一応の終止符を打ったのは1970年の大会での宣言でしたが、その20周年を機に幾つかの企画がなされ、またその成果の多くが1991年に発表されました。本研究者は、そうした最近の情勢にも接する機会をもちました。そしてそこからも刺激を得ながら、今回の研究課題を、現代社会の動向をも射程に入れながら考察をおこなっています。たとえば、ドイツにおいて目下問題になっている外国人への敵視の風潮にたいして、民俗学者が関心をしめし、その因由の分析や、また民俗学者のかかわり方について議論がなされているのも、ナチズム民俗学の克服する過程での方法上の検討や、時事問題との取り組みの蓄積を背景にしています。それはまた外国人労働者とその家族、あるいは引き揚げや観光などの大規模な人口移動を民俗学の観点から把握する姿勢にもつながっています。これらについての部分的な紹介は、すでに今年度も、資料の翻訳やそれに付けた解説、あるいは新聞のコラムなどで試みました。特に、レ-オポルト・シュミット『オ-ストリア民俗学の歴史』(1951)は、ナチズムへの接近に陥ったドイツ民俗学の再検討を主たる課題として書かれた学史文献ですが、その翻訳(本文250頁)に、訳注(150頁)と解説(25頁)を付けるというかたちで、本研究から得た知見を活用しました。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 河野 眞: "ナチズムとドイツ民俗学" 愛知大学文学会「文学論叢」. 103. (1993)
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[Publications] 河野 眞訳・解説: "レ-オポルト・シュミット著(1951)オ-ストリア民俗学の歴史 (25頁の解説を執筆)" 名著出版, 440 (1992)
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[Publications] 河野 眞訳・解説: "ヘルマン・バウジンガ-著 技術世界のなかの民俗文化(1961,第2版1985)(25頁程度の解説)" 法政大学出版局, (1992)