1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640272
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 圭二 大阪大学, 理学部, 教授 (10011545)
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Keywords | インスタントン / EguchiーHanson解 / Induced Gauge Theory / BornーOppenheimer法 / コンパクト化 / Berry位相 |
Research Abstract |
3年計画の第1年目として、本年の目標は、(1)Einstein重力理論におけるEguchiーHanson型インスタントンによる位相転移の効果を調べること、(2)BornーOppenheimer法によってインスタントンや時空のコンパクト化に現われるBerry位相の効果を調べることであった。結論としては(2)の項目に主な進展がみられたのでこの方から述べる。 高次元時空の一部にコンパクト化が起ると、我々の4時元時空にゲ-ジ対象性が誘発される可能性を指摘し、実際に一つの模型を作成した。コンパクト化によるBerry位相は一般には幾何学的効果を生み出しても、Dynamicalなゲ-ジ場は生み出さないが、この研究では誘発されたゲ-ジ場理論(Induced Gauge Theory)を実際に作成し、このようなことが起こり得る一般的な条件を見いだした。これはKaluzaーKleir理論とは異なる新しい機構である。また、現実の素粒子が何故ゲ-ジ理論に依って支配されているかという問いへの回答にもなり得る。現在のところU(1)ゲ-ジの例を作った段階であるが、その非ア-ベル理論への拡張を試みている。 上記(1)の目的に関しては、スケ-ルの十分小さいインスタントンが存在する空間で伝播関数を構築する方法を思いついた。現在予備的な構築にとりかかった段階である。 なお、本年度購入した計算機は、(1)の問題の予備的な研究(伝播関数に使用するのに必要な変数の群論的計算)に役だっている。また(2)の問題では、非ア-ベル群を取り組んだときの数式処理を行なうことを目的に現在テスト中である。計算機は平成3年の秋に購入したので本格的な使用は平成4年度になる。
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