1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640279
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
遠山 満 杏林大学, 医学部, 助教授 (30183875)
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Keywords | 重イオン反応 / 数値シュミレーション / ボルツマン方程式 / 密度行列理論 |
Research Abstract |
最近、中間エネルギー重イオン反応の実験データが多く蓄積されつつあり、これを解析するため、古典論的ボルツマン方程式に基づく数値シュミレーションが広く行われてきている。しかし原子核は本来、量子論的な少数多体系であるので、どのような条件下で古典論的な取り扱いが正当化されるか、理論的に検討されるべきである。この問題に答えることをめざして、量子論的模型の一つである時間に依存する密度行列理論とボルツマン方程式の解を数値的に比較しようというのが、科学研究費の交付を受けたこの研究の目的であった。平成3年度は二次元の系に対して古典論的ボルツマン方程式を解く数値計算プログラムを完成させた。平成4年度は時間に依存する密度行列理論(TDDM)の解を得るための数値計算プログラムの開発を行うことが主な課題であった。数値計算プログラムの完成後二つの異なる集団運動状態(一つの二次元原子核の圧縮モードと二つの二次元原子核の散乱)に対してTDDMの解とボルツマン方程式の解の比較を行った。TDDMの解は定性的には古典論であるボルツマン方程式の数値解と同じような時間的振舞いをするが、定量的には明確に異なる点があることが明らかになった。それは核子‐核子散乱による散逸過程の始まりが、TDDMでは非常に遅いという点である。これはTDDMの散乱項の「記憶効果」に由来していると考えられる。この結果は論文にまとめた。現在投稿中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 遠山 満: "stochastic and deterministic solutions of the 2-D Boltzmann equation" 杏林大学研究報告教養部門. 12. 15-21 (1992)
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[Publications] 遠山 満: "stochastic and deterministic solutions of the 2-D Boltzmann equation" Nuclear Physics A. 549. 461-470 (1992)