1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640313
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
遠藤 将一 大阪大学, 極限物貭研究センター, 教授 (10001843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 正幸 京都大学, 工学部, 教授 (30026025)
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Keywords | ラ-ベス相Mn化合物 / ヘリカル構造磁性体 / 格子定数 / 圧力 / 磁化測定 / Mnモ-メントの消失 / 強磁性転移 |
Research Abstract |
ラ-ベス相化合物RMn_2(R:希土類元素)ではRとMnがともに磁気モ-メントをもつ場合、RーR間に強磁性的、RーMn間に(反)強磁性的、MnーMn間に反強磁性的な相互作用が働きそれらが競成するため複雑な磁性を示す。DyMn_2より大きな格子定数をもつ化合物ではMnがモ-メントをもち、小さい化合物ではモ-メントをもたないことが見出されているが、TbMn_2は僅かに大きな格子定数をもち、TbとMnの両方が大きなモ-メントを有すめため複雑なヘリカル構造磁性体となっている。本研究では圧力をかけ格子定数を縮めたときの磁気的構造の変化を明らかにする。 TbとMnをア-ク溶解して焼鈍したものを液体媒体の圧力クランプ容器をセットした。10kbまでの圧力、4.2〜150kの温度範囲,13.5kOeの外部磁場下で引抜法により磁化を測定した。 常圧で50に付近に見られたヘリカルオ-ダ-に伴う、磁化・温度曲線の鋭いピ-クは加圧によって低温側ヘシフトし、5.3kbでは完全に消失した。加圧による格子定数の縮みによりMnのモ-メントが消失し系全体がTbのモ-メントによって強磁性になったと考えられる。以前、分担者の志加らが圧力を印加する代りに、Tb原子半径の小さい非磁性のScで置換して格子定数を縮める“化学的圧力"を用いて見出した結果と定性的には一致する。しかし、圧力による縮みとSc置換による縮みを比較するとSc置換の場合は圧力の1/2.5の縮みのところでMnのモ-メントが消失したことになる。 次に、TbMn_2より格子定数の大きなGdMnについて同様の実験を行なった。常圧では110KのMn副格子のネ-ル点は10kbまで圧力とともに低温側にシフトし、Sc置換と定量的に一致した。ただし、Mnモ-メントの消失に伴う強磁性への転移には到らず、15kb程度の圧力が必要であることがわかった。
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Research Products
(2 results)