1991 Fiscal Year Annual Research Report
Nービニルイミノホスホランを用いる新しい芳香族化合物の合成と性質
Project/Area Number |
03640466
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
新田 信 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063738)
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Keywords | ビニルイミノホスホラン / アザアズレン / [n](2,4)ピリジノファン / アザヴィッティッヒ反応 / アザフルオレノンアルカロイド |
Research Abstract |
1.ビニルイミノホスホランは環状α,β不飽和ケトンとの反応で一般的に[n](2,4)ピリジノファンを与えることを見出しているが、本研究と関連してインデンー3ーイルイミノホスホランと種々のα,βー不飽和ケトンと反応させた結果5Hーインデノ[1,2ーb]ピリジンを好収率に与えることを見出した。さらに生成物を酸化すると4ーアザフルオレノンアルカロイドの簡便な合成法となることを明らかにした。 2.1ーフェニルビニル基,インデニル基,6,7ージヒドロベンゾシクロヘプテニル基およびアセナフチレニル基を持つビニルイミノホスホラン類とα,βー不飽和ケトンのビニロ-グである2ーホルミルー6ージメチルアミノフルベンとの反応では,従来例の少ない縮環5ーアザアズレンの簡便の合成法を見出した。生成物の化学的性質や,水素引抜きによる14π電子系アニオンの生成と性質についても検討を加えた。 3.1,6ーメタノ[10]アヌレンの2位および3位にホスホラニリデンアミノ基を持つイミノホスホランは,両者共にα,βー不飽和ケトンと反応しピリジンが2ー3位に縮環した1,6ーメタノ[10]アヌレンを与えることを見出した。生成物の環電流,芳香族性とピリジン縮環による相関などを検討した。一方,これらのイミノホスホランは,2ー7ロロトロポンとの反応ではイミノホスホランの窒素部位でクロル原子の置換反応を行なうが,3位にホスホラニリデンアミノ基を持つ誘導体は,同時にアヌレンの2位でユナミン型求検付加反応を起し1,6ーメタノシクロデカ[b]シクロヘプタ[d]ピロ-ルを与えることを見出した。このアザアズレンの縮環した1,6ーメタノ[10]アヌレンの環電流の大きさや構造をスペクトルの検討より明らかにした。またイミノホスホランの1,6ーメタノ[10]アヌレン部の反応性と電子的要因を明らかにすることができ,ビニルイミノホスホランの合成への応用に対し新規な知見を得ることができた。
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