1991 Fiscal Year Annual Research Report
液様エピタキシ-法による高温超伝導単結晶薄膜の作製と各種表面分析法による評価
Project/Area Number |
03650016
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
徳高 平蔵 鳥取大学, 工学部, 教授 (70032266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西守 克己 鳥取大学, 工学部, 助教授 (40032271)
岸田 悟 鳥取大学, 工学部, 助教授 (30112105)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / BiーSrーCaーCuーO薄膜 / 表面組成分析 / 液相エピタキシ-法 / 超伝導デバイス / X線光電子分光 / 結晶成長 / 表面構造 |
Research Abstract |
本年度は、液相エピタキシ-(LPE)法を用いてBiーSrーCaーCuーO(BSCCO)単結晶薄膜を作製するための基礎研究を行った。それらの結果を箇条書きにする。(1)LPEの成長装置を設計製作した。これは市販の電気炉と温度制御装置を組み合わせて、ディッピング法により薄膜を堆積する装置である。(2)フラックスとして、自己テラックス(BSCCOの構成元素からなるフラックス)を用いるために、Biー(Sr,Ca)ーCu系の相図を作成した。これより、80K相が生成される温度と組成が明らかになった。(3)自己フラックスを用いたLPE法によりMgO基板上にBSCCO薄膜の堆積を試みたが、フラックスの粘性が高く均一な薄膜を堆積することができなかった。(4)BSCCOーKC1系の相図を作成した。この系では、フラックスの融点を低くすることができる。この結果、820℃以下で80K相が生成され、820℃以上の温度では7K相が生成されることが明らかになった。(5)(BSCCO+KC1)フラックスを用いてBSCCO薄膜の作製を行った。KCLが70wt%,B_2O_3が0.1wt%、Bi:Sr:Ca:Cu=2:2:1:2の時、基板上にBSCCO薄膜を堆積することができた。(6)堆積した薄膜は、X線回折パタ-ンから7K相BSCCOであることがわかった。また、X線光電子分光法による表面組成分析の結果から、薄膜中にKC1が含まれていること、及びBSCCOのすべての構成元素が膜中に含まれているものの80K相BSCCOの組成とは異なっていることが明らかになった。(7)B_2O_3をフラックス中に添加すると、フラックスの粘性は減少することがわかった。
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