1992 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロトーム用ダイヤモンドナイフのイオンビーム加工に関する研究
Project/Area Number |
03650114
|
Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 岩男 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (10084477)
|
Keywords | ダイヤモンドナイフ / イオンビーム加工 / 損傷 / 原子間力顕微鏡 / リアクティブイオンビーム加工 / ミクロトーム / 先端半径 |
Research Abstract |
機械研磨で仕上げたダイヤモンドナイフは、1keVアルゴンガスイオンをこの切刃の上方より照射することにより更に鋭くできることを以前に示したが、このイオンビーム加工の際に生じた薄い損傷層の厚みやそれがダイヤモンドナイフの切削性能に及ぼす影響についてはまだ検討していない。そこで、AFM(原子間力顕微鏡、理大理学部に設置済み)を用いてイオンビーム加工したダイヤモンド試料の表面を原子のオーダーで観察し、イオンビーム加工条件と加工試料の結晶性に関して詳細に検討し、最適なイオンビーム加工条件を求めることを本研究の目的とした。また、ナイフの切刃先端半径の測定は非常に困難であるので、三角錐および四角錐型半導体ダイヤモンド探針のイオンビーム加工を行い、STMによりこれらの先端半径を予測することも目的の一つとした。このほか、機械研磨で仕上げたダイヤモンドナイフのリアクティブイオンビーム加工について検討するためにダイヤモンド薄板を酸素イオンビームで加工し、ダイヤモンドの加工速度のイオン入射角依存性や結晶面依存性あるいは加工したダイヤモンドの表面性状などを検討することも本研究の目的とした。 以上の検討の結果、次の結論を得た。 (1)三角錐型ダイヤモンド探針は真上よりイオンビームを当てることにより必ず先端を鋭くできる。しかし、その先端半径の予測は困難である。 (2)イオンビーム加工及びリアクティブイオンビーム加工したダイヤモンドの表面性状は前加工面の表面性状が結晶面ごとに異なるために結晶面により異なる。また、機械研磨により生じた欠陥部分がより早く加工させる。 (3)酸素イオンビームを用いたダイヤモンドの加工速度はアルゴンイオンを用いたそれに比べて3倍ほど速い、前者の場合のダイヤモンドの加工速度のイオン入射角依存性はイオン入射角の増加とともに徐々に減少する。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 宮本 岩男 ほか: "半導体ダイヤモンドのイオンビーム加工 -ピラミッド型STM用探針の作製-" 1992年度 精密工学会 春季大会学術講演会 講演論文集. 965-966 (1992)
-
[Publications] 宮本 岩男 ほか: "STM用三角錐型ダイヤモンド探針のイオンビーム加工" 1992年度 精密工学会秋季大会学術講演会 講演論文集. 383-384 (1992)
-
[Publications] I. Miyamoto et al.: "Ion Beam Machining of Quadrangular Pyramidal Diamond Probes for Nano-Indentation Using a Scanning Tunneling Microscope" 第1回 イオン工学会大会論文集. 169-172 (1992)
-
[Publications] 宮本 岩男: "ダイヤモンドの微細加工の現状と将来" 超精密(精密工学会超精密加工専問委員会編). 2. 109-118 (1992)