1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650133
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
林 洋次 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063760)
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Keywords | グリース / ビンガム流体 / 粘弾性流体 / レオロジ / 潤滑理論 / トライボロジー |
Research Abstract |
グリースのレオロジ方程式として,ビンガム非線形4要素粘弾性モデルを提示し,そのレオロジ方程式に基づいて,潤滑方程式を誘導して,軸受性能値を算出し,軸受性能実験と比較検討することによって,グリースの粘弾性特性が潤滑性能に及ぼす影響を解明したことが,本研究の成果の概要である。 グリースのレオロジ方程式として,従来はせん〓応力が降伏応力より大きか小さいかによって2種類の方程式を用いていた。しかし,このようなレオロジ方程式を潤滑問題に適用し,グリース潤滑の特徴であるコアの生成消減条件を詳細に検討した結果,グリースが単純なビンガム流体と見なせる場合には問題にはならないが,グリースの粘弾性持性を考慮した場合には,コアの生成消減条件にも過去の履歴現象が影響することを明らかにした。次に,この複雑なビンガム非〓形4要素粘弾性モデルのレオロジ方程式を2つの滑り面間の流れに適用し,コアが発生しない場合,コアが上面に付着する場合,下面に付着する場合,コアが浮いて流れる場合,コアが全面に付着する場合に対して,それぞれの潤滑方程式ならびのその適用条件式を誘導した。 これらの方程式をくさび作用とスクイーズ作用の両作用下で使用するジャーナル軸受の動荷重問題に適用し,コンピュータによる数値解析によって軸受性能を理論的に算出した。一方,潤滑剤としてグリースを用い,軸が回転し軸受が振動するジャーナル軸受試験機によって軸受性能を実験的に求めた。理論と実験から,グリースのもつ粘弾性効果によって,軸受すきま内に発生する圧力は,その発生原因に対して遅れ現象があることを解明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 林 洋次: "グリースを用いたジャーナル軸受の性能実験" 日本設計工学会講演論文集. 92. 103-106 (1992)
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[Publications] 林 洋次: "グリースを用いたジャーナル軸受の性能解析" 日本設計工学会講演論文集に発表予定.
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[Publications] 林 洋次: "ビンガム非線形粘弾性流体潤滑の研究" 日本機械学会論文集に発表予定.