1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650161
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高田 浩之 東海大学, 工学部, 教授 (40010699)
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Keywords | 旋回失速 / 失速伝播 / 圧縮機翼列 / 軸流圧縮機 |
Research Abstract |
NACA65(12)10翼型より成る食違い角30゚,ソリディティ1.0の翼列について旋回失速の伝播の数値シミュレ-ションを行った。 その結果判明した旋回失速の伝播のメカニジムは次のようなものである。 即ち,翼列中のある一枚の翼が前線失速すると,前線から放出された渦度はその翼の背面に蓄積して次第に大きな渦を形成していく(これを失速渦という)。失速渦はだんだんに成長していって,その先端が翼の後線に達する頃になると,今度は翼から離れ始めるが,このとき同時に同じ翼の腹面側後線から放出される逆まわりの渦が急に強さを増すと共に翼の後縁をまわり込んで背面側の後縁付近に蓄積し,成長するようになる(これを回復渦とよぶ)。一方,先に翼を離れた失速渦は流路中に拡がっていって,この頃になると隣接翼の腹側に達し,その翼の失速を誘起する。もちろん,この状態の時期にはその翼列流路を通る流量は,失速渦と回復渦のためにせき止められて,大きく減少している。 結局,このような過程を繰り返して失速が順次隣の翼へ伝わっていくというのが,数値シミュレ-ションの結論である。 実験は2次元翼列風洞において,翼面上の非定常圧力を計測することによって,上記の失速渦・回復渦の挙動を推定し,失速伝播の過程を確認することを目的として行う。本年度はNACA65(12)10断面の翼面圧力分布測定用翼型を製作し,これを翼列風洞の吹出口に配置して予備実験を行い,実際に旋回失速が発生し,伝播することを確認した。 来年度はシミュレ-ションを継続すると共に,より詳細な実験計測を行う予定である。
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