1991 Fiscal Year Annual Research Report
衝突噴流沸騰系の限界熱流束の上限について(サブク-ル液の場合)
Project/Area Number |
03650188
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
門出 政則 佐賀大学, 理工学部, 教授 (80109222)
|
Keywords | 熱工学 / 相変化 / 限界熱流束 / 強制対流 / 衝突噴流 / 沸騰 / サブク-ル |
Research Abstract |
サブク-ル下の限界熱流束は、飽和液の限果熱流束に比較して飛躍的に上昇する可能性がある.本研究では、△Tsub=120Kの高サブク-ル度を得るためには、実験系を不凝縮ガス(例えば,窒素ガス、N_2)を用いて高圧状態をつくった。しかし、不凝縮ガスが限界熱流束に及ぼす影響については、本実験系を含む殆どの実験系(プ-ル沸騰や強制対流沸騰)においても現在まで十分解明されているとは言い難い状況にあるので、本実験を進める前にプ-ル沸騰での実験において、不凝縮ガスの影響を検討した結果、以下の結果を得た. 1.限界熱流束は、不凝縮ガスの影響を殆どうけない. 2.プ-ル沸騰の限界熱流束に及ぼすサブク-ルの影響は、次式で与えられる.そして、ザブク-ルの影響を従来の範囲より大幅に拡張した. (qc,scb)/(qco)=1+0.1((ρ_1)/(ρ_v))^<0.84>((c_p△Tsub)/(Hfg)) qco:Kutateladzeの式(=0.16 ρ_vHfg・4√<σg(ρ_1-ρ_v)/ρ_v^2)> qc,sub:サブク-ル下の限界熱流束,Hfg:蒸発潜熱,σ:表面張力,ρ_1,ρ_v,密度,g:重力の加速度,c_p:比熱,△Tsub:サブク-ル度 この結果を基に、衝突震流沸騰系における限界熱流束をサブク-ル度△Tsub=120K、流速u<15m/s、加熱面長とL=60mmの範囲で、試験流体として水及びR113を用いて測定し、次の結果を得た. 1.限界熱流束が、サブク-ル度と共に上昇する範囲とサブク-ル度の影響を受けない範囲が存在し、その境界は噴流流速と加熱面長さに支配されそうである.境界については、更に検討する必要がある. 2.サブク-ル条件下の限果熱流束に及ぼす噴流速度の影響についても、今後検討していく必要がある.
|