1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650190
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
浜崎 和則 鹿児島大学, 工学部, 助手 (60041539)
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Keywords | ディ-ゼル機関 / 代替燃料 / 乳化燃料 / なたね油 / ミクロ爆発 / 排気エミッション |
Research Abstract |
モノステアリンを乳化剤に用いて,水を質量割合で10,20,30,40%混合した,なたね油乳化燃料を作製し直噴式小形4サイクルディ-ゼル機関(定格出力7.35kW/2600rpm)に適用した。水混合割合が10,20%の場合は全負荷域で安定した運転が出来るが,30%の場合は4/4負荷での運転は機関回転数が不安定であった。さらに40%の場合は始動も困難で,実験は不可能であった。実験は機関回転数2000rpm一定で機関性能および排気ガス濃度に及ぼす影響について検討した。また,機関回転数の影響については正味平均有効圧力を一定として,機関回転数を変化させて実験した。得られた結果は以下の通りである。 水混合割合20%の場合正味熱効率,正味燃料消費率は最も良好で,なたね油の場合に比べ4/4負荷で6%程度の改善が見られた。NO_x濃度は水混合割合の増加にほぼ比例して低減し,NO_x濃度に与える水分の蒸発による燃焼温度降下の影響は大きい。排気煙濃度は水混合割合が20%までは減少し高負荷ほど低減割合が大きく,20%で4/4負荷の場合,なたね油に比べて26%程度低減される。定格回転数ではミクロ爆発効果に燃焼室内のガス乱れが加わり軽油燃料の場合と同程度まで低減される。以上のことから,直噴式機関の場合は機関性能,排気ガス濃度の点から20%が最適水混合割合であり,熱発生率の検討から水混合割合20%の場合は,なたね油に比べ噴射期間は長くなるが,ミクロ爆発効果のため燃焼期間は短縮され燃焼の改善がはかられる。HC濃度は水混合割合20%の場合でも,なたね油の場合の2倍程度に増加する。軽油燃料のディ-ゼル機関ではCD濃度は問題にならないとされるが,乳化燃料では水混合割合が増加するにつれCD濃度も増加する。しかし,乳化燃料に超音波を照射して微粒化すると排気煙濃度,NO_x濃度を増大させることなく,CDおよびHC濃度のいくらかの低減は可能である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 浜崎 和則: "なたね油乳化燃料による小型ディ-ゼル機関の性能と排気特性" 日本機械学会九州支部宮崎地方講演会講演論文集. No.918ー2. 96-99 (1991)
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[Publications] 浜崎 和則: "なたね油乳化燃料による小形ディ-ゼル機関の性能と排気特性" 日本機械学会論文集,B2編に掲載決定.