1992 Fiscal Year Annual Research Report
相変化を伴う多孔質層内の熱および物質移動に関する研究
Project/Area Number |
03650197
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 章 秋田工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (00099772)
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Keywords | 融解熱伝達 / 自然対流 / 多孔質層 / 潜熱蓄熱 / 相変化 |
Research Abstract |
寒冷地における土壌の凍結現象は,これまで,凍害として見られていたが,近年この冷熱エネルギーを有効に活用することが試みられている.寒凍地における地熱熱源ヒートポンプの利用,土壌を潜熱蓄熱材として活用した低温貯蔵庫の建設などはその典型的な例として挙げられる.また,近年潜熱蓄熱材の熱特性改善のため伝熱促進体を混入した場合の凍結・融解挙動に関する検討が行われている.このように多孔質層の相変化現象は,多くの工学問題と関連しており,その非定常状態での凍結・融解熱伝達特性を明らかにすることが重要な課題となっている. 本研究では,以上のような背景から,凍結した矩形多孔質層を左垂直面から融解させた場合の融解挙動および非定常融解熱伝達に及ぼす粒子物性の影響について実験的検討を加えた.実験粒子としては,ガラス粒子,鉄粒子,ステンレス粒子,クローム粒子,アルミナ粒子を用いた.融解実験は,凍結多孔質層の初期温度を0℃一定とし,加熱面温度が20℃の場合について行い,容器内温度および加熱面での熱流束の経時変化を4時間測定した.さらに,境界固定法を用いた数値解析を行い,計算結果と実験結果との比較を行った。 その結果,本研究の範囲内で以下のことが明らかになった. 1.熱伝導率の大きな粒子を用いた場合,試料内温度分布の経時変化より,粒子径の大きな場合には自然対流が生ずることが知られた.また,粒子径が小さい場合は,ガラス粒子層の場合に比べ,融解量は増大するが,加熱面でのヌセルト数は時間と共に単調に減少し,融解領域内での顕著な自然対流の影響は見られなかった. 2.計算結果と実験結果との比較を行った結果,ヌセルト数の計算結果は実験値に比べ大きな値を示すものの,計算結果は融解挙動およびヌセルト数の実験結果の傾向をよく表すことが知られた.
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Research Products
(2 results)