1991 Fiscal Year Annual Research Report
ニュ-ラルネットワ-クを用いた高層建物の制振に関する研究
Project/Area Number |
03650218
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
藤田 聡 東京電機大学, 工学部・機械工学科, 助教授 (40143531)
|
Keywords | 制振構造 / アクティブマスダンパ / チュ-ンドマスダンパ / 高層建物 / 地震 / 最適制御 / アクティブコントロ-ル / 振動実験 |
Research Abstract |
1.総質量974kg,総高さ1,878mmの三層鉄骨造建物モデルを設計,制作しこれに対して最適なチュ-ンドマスダンパ(TMD)および最適制御理論に基づくアクテイブマスダンパ(AMD)を設計した。AMDのアクチュエ-タとしてはリニアモ-ションタイプの加振器を用いたが,TMDの場合はこれをリニアベアリングの代りとした。なお,マスダンパの有効質量は11.4kgであり,これは建物総質量の約1.7%に相当する。〔供試体製作費800k円支出(消耗品費)〕 2.本研究においては最終的にニュ-ラルネットワ-クを用いた制御系の構築を考えているため,通常のAMDに対しては制御上の問題がなるべく生じないようにフルステ-トフィ-ドバック系を採用した。建物各部の変位,速度,加速度について特に雑音の多いものに関してはフィルタを用いてこれを除去した。〔フィルタ4台購入,737,48k円支出〕 3.明治大学理工学部所有の2次元振動台を用いて正弦波及び地震波加振実験を実施した。〔交通費111.5k円支出〕 4.正弦波0.1m/s^2入力時の建物の応答は1次モ-ドにおいて4.13m/s^2であったが,TMDを用いることで2.02m/S^2に,AMDを用いることが0.494m/s^2に低減された。また,地震波加振実験においては入力地震波の種類により,その性能は異なるものの,応答はTMDを用いた場合で30^〜40%低減され,AMDを用いた場合で50^〜%低減されており,本システムが良好な制振性能を有していることが確認された。 5.次年度へ向け,現在ニュ-ラルネットワ-クによる制御系を設計しており,システム同定のためのSystem NNはほぼ完成した(学習の結果,ルンゲ・クッタ法によるシミュレ-ション結果と良好な一致を示した)。引き続き,制御力を決定するControl NNの設計に取り組んであるところである。
|