1991 Fiscal Year Annual Research Report
生態系における植物生体情報の計測とその視聴覚的ディスプレイシステムの開発
Project/Area Number |
03650219
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三輪 敬之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10103615)
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Keywords | 生体システム / 生体情報 / 生体電位 / 環境情報 / 野外植物 / 生態系 / ディスプレイシステム / 環境心理空間 |
Research Abstract |
遠隔地における生態系からのメッセ-ジをメカトロニクス技術を適用し、ダイナミックに視聴覚的表現することにより、都市居住空間において人間が自然環境の様々な変化をイメ-ジできるような環境心理情報を設計する試みの一方法として、本研究では、交付申請書に記した研究実施計画に従い、植物の生体情報である生体電位変化に着目した計測ならびにディスプレイシステムをそれぞれ考案開発した。すなわち、対象地域は月山、富士山山麓の原生林とし、樹木の電位変化を導出するための各種電極を試作した。また、生体電位のAC成分、DC成分変化に対応できる小型の専用増幅器を設計試作した。増幅器からの信号はノイズ対策のため光ファイバにより現地送信基地に伝送される。これらをまとめた生体電位計測システムは8chからなり、フィ-ルドでの使用を考慮し、ポ-タブル化するとともに、バッテリ-駆動とするなど、操作性、機動性、耐天候性を図った。8ch分の生体電位信号はモデムにより公衆回線を介して、受信側である研究室に送信され、設備備品として購入したパソコンにより記録され、ディスプレイに必要な処理などが行なわれる。デイスプレイは生体電位信号を音や形光に変換することにより行なわれる。音への変換方法は生体電位の振幅レベルに応じて、音楽用デジタル音源をソフトにより制御し、音程と発音強度を変化させる方法などいくつか開発した。また、音色は人間の心理状態にあわせて設定できるようにした。形への変換は電位信号をアクチュエ-タ用の駆動信号に適用し、動作形態やパタ-ン変化として表現するディスプレイシステムを構築した。以上の試作システムについてフィ-ルドにて性能試験を行なった結果、樹木の葉表面電位(AC成分)は時々刻々変化し複雑で多様な変化を示した。また、このような多様性を都市居住空間(研究室)にて視聴覚的にリアルタイムで体験できることに成功した。
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