1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650232
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本田 親久 九州大学, 総合理工学研究所, 助教授 (20037881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 寿了 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (00185779)
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Keywords | レ-ザ-応用 / YAGレ-ザ- / 塩害 / 電力設備 / 汚損碍子 / 発光分光法 / マイクロ波誘導プラズマ / リモ-トセンシング |
Research Abstract |
発・変電所等において碍子表面の付着塩分は電力設備の絶縁を悪化させ,閃落事故の原因となる。このため,付着塩分量を測定し,定期的に碍子を洗浄することが碍子管理上必要とされる。本研究は,レ-ザ-光を碍子表面に集光し,塩分が強熱されて蒸発・解離したナトリウム原子の波長589nmにおける放射光を,干渉フィルタ-などを含む受光系で選択的かつ遠隔的に観測し,その信号強度から付着塩分を定量するものである。 実験の結果,有効なレ-ザ-光強度は,発光のしきい値を与える25MW/cm^2から碍子損傷のしきい値を与える130MW/cm^2の間であった。このとき,照射スポット径は5〜8mmが適当であった。YAGレ-ザ-の光を約10m遠方の人工汚損碍子に照射し,望遠鏡を含む観測系で発光量を測定した結果,筆洗法で求めた塩分量の0.6乗に比例することが分かった。しかし,実験のフィ-ルド試験における太陽光ノイズのSN比への影響評価などについては今後の課題である。 また,潮風で運ばれてきた大気中の塩分の常時観測も,汚損碍子の塩分付着量を予測する上で重要である。そこで,安価で取扱いが簡単な気中塩分モニタ-を開発するために,本研究では家庭用電子レンジクラスのマイクロ波発生装置を用いてマイクロ波誘導プラズマを発生させ,抵抗フィラメントに塩分を含む大気を間欠的に導入して,捕集された塩分を蒸発させてプラズマに導入し,原子化したナトリウムの発光を観測して,その強度から気中塩分量を求める実験を行った。その結果,初め意図した大気のみのプラズマ発生は小出力のマイクロ波発生装置では無理であるが,プラズマ発生用ガスとして比較的安価なアルゴンを用いて約3分間隔でサンプリング測定すれば,1pg/cm^3以下の気中塩分量でも十分測定できることが分かった。
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