1991 Fiscal Year Annual Research Report
電気的に制御された臨界電流によるジョセフソン接合の実現と直流SQUIDへの応用
Project/Area Number |
03650261
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 敏正 日本工業大学, 工学部, 助教授 (30129142)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 薄膜 / 微細加工 / 臨界電流 / ジョセフソン接合 / dcーSQUID |
Research Abstract |
1.YBCO薄膜の作成・・・電子デバイスに応用するための酸化物高温超伝導体YBCO薄膜の作成手法としてスプレ-パイロリシス法、スパッタリング法およびMBE法を検討した。スプレ-パイロリシス法では40Kの、単一タ-ゲットパッタリング法では18Kの、MBE法では52Kの超伝導転移温度(Tc)を得、いずれも薄膜作成手法として有効であることを確認した。スパッタリング法においては、オフアクシス配置が薄膜の組成ずれが少ないことを確認した。今後はさらにTcの向上をはかり、“その場"作成を実現する必要がある。 2.YBCO薄膜の評価・・・得られたYBCO薄膜の基礎的な物性を評価した。UHVーSEM/μーAES/EDX複合表面分析装置は超伝導体薄膜の面内および深さ方向の組成分布の評価に有効であることを確認した。 3.YBCO薄膜の微細加工・・・微細加工を行なうために、フォトリソグラファ-プロセスを行なうシステムを整備した。フォトマスクは、原画パタ-ンを黒い紙で作り、通常のカメラでリスフィルムに撮影する方法で作製した。その結果、最小線幅30ミクロンのマイクロブリッジのマスクを作製できることが明らかとなった。このフォトマスクを用いて、同時蒸着法で作成したYBCO薄膜をマイクロブリッジに微細加工した。エッチング液にはリン酸水溶液が有効であった。電流ー電圧特性の測定から、薄膜の臨界電流密度(Jc)の値として1.1×10^4A/cm^2が得られた。今後はこのJcの向上に努める。 4.スパッタリング法による絶縁層膜の作成,5.蒸着法によるコントロ-ル電極の作成,6.マイクロブリッジ中への電界によるウィ-クリンクの誘起とジョセフソン効果の発生の確認,については平成4年度に行なう。
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Research Products
(1 results)