1992 Fiscal Year Annual Research Report
新規な光化学反応による酸化スズ透明導電膜の作製と電極パターンの形成
Project/Area Number |
03650264
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Research Institution | Tokyo Institute of Polytechnics |
Principal Investigator |
澤田 豊 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (30187299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯泉 清賢 東京工芸大学, 工学部, 講師 (30064273)
小川 誠 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (70064277)
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Keywords | 透明導電膜 / 酸化スズ膜 / ヨウ化スズ膜 / 光化学反応 / 薄膜の熱分析 / パターンニング / 液晶表示素子 / 太陽電池 |
Research Abstract |
酸化スズ系透明導電膜は液晶表示素子や太陽電池などに有用である。 本研究の目的は 酸化スズ系薄膜の新しい製造プロセスを確立することで、とくに独自の手法として、ヨウ化スズ蒸着膜を光酸化して 酸化スズ薄膜のパターン形成を実現するところに特長がある。 本研究の実施計画では、初年度(平成3年度)に製膜条件の最適化を行い、次年度(平成4年度)に得られた薄膜の熱処理および評価、ならびに光化学反応機構の解明を計画している。 今年度(平成4年度)に達成した成果は以下の通りである。 1.製膜: 平成3年度の経験に基づき薄膜試料を作製した。 膜評価の都合を考えて比較的厚い膜(膜厚約0.7μm)を主体とした。 2.熱処理:薄膜の熱変化を検討するために、温度(最高850℃、通常500℃以下)ならびに雰囲気(大気中、窒素中、水蒸気中)について実験をした。 3.膜の評価: 膜厚は触針法で、膜質量は超精密天秤で、結晶状態はX線回折法(通常法および薄膜法)で、化学結合状態はXPSで、光学特性は分光光度計で評価した。 4.反応機構の解明: 申請者が独自に開発した熱分析手法(DSC、TG-DTA、超精密熱天秤、TG-MS)によって、薄膜の熱変化を解析した。その結果、ヨウ化物(主としてSn2_2)の蒸発と酸化が同時に進行する事、酸化に際して中間体(Sn2_4)が生成する事、加熱および光照射がこれらの熱変化を加速する事などを明らかにした。 5.総括: 以上の結果を総括して、本申請の方法によって酸化スズ系透明導電膜のパターン形成の実用可能性を確認するとともに、反応機構の解明に基づいた普遍性ある製膜技術確立への基礎を築き、当初の目標が達成された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 澤田 豊: "ITOの結晶構造と欠陥化学" ニューセラミックス. 12. 33-36 (1992)
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[Publications] 澤田 豊 他: "光・薄膜技術マニュアル" オプトロニクス社, 511 (1992)