1991 Fiscal Year Annual Research Report
防災用野外スピ-カシステムの明瞭度改善に関する研究
Project/Area Number |
03650474
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
戸井田 義徳 東京都立大学, 工学部, 助手 (10087273)
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Keywords | 明瞭度 / 防災行政無線 / エコ-妨害 / ロングパスエコ- / 情報伝達 / 防災 / 公共放送 |
Research Abstract |
本研究は,大都市を中心とする緊急防災システムの中で,災害情報伝達手段として重要な一翼を担っている防災用野外スピ-カシステムについて,その音声伝達効率(明瞭度)を最適にするスピ-カ設置数,設置方式と効率的運用の手法について,ハ-ド,ソフトの両面から検討し,防災用野外スピ-カシステムの工学的設計手法を確立することをその最終目的とする。 本年度は主としてアンケ-ト方式による実態調査結果とコンピュ-タシミュレ-ションの比較検討を行た。都内某区の防災用野外スピ-カシステムについて,スピ-カの設置場所や放送方式が変更されたことに伴い,区内のモニタ-(1000名程が登録されている)を対象として,アンケ-ト方式による聞こえ易さの実態調査を行なった。評定尺度は,主観的な4段階評価による判定方式である。第2段階の「大体理解できた」までを情報伝達可能と仮定すると,設置場所の改善に伴い伝達可能と考えられる回答者の率は18.2%増加した。またコンピュ-タシミュレ-ションにより,この調査の裏付けを行った。防災用野外スピ-カシステムの位置座標をコンピュ-タに入力し,モニタ-居住地の音声レベルとエコ-タイムパタ-ンを計算し,予測計算法により明瞭度を求め,アンケ-ト結果との重回帰分析を行った。その結果重相関系数0.607が得られた。今回の予測計算は,聴取室の向きや窓の開閉条件,建物による反射や遮蔽,交通騒音レベル等,実際の聴取条件に対し考慮に入れられなかった要因が非常に多い。それにも係らず上記相関係数が得られたことは,むしろ非常に高い相関が得られたと考えることも可能であり,今後更に実状に近ずけた計算をする糸口が得られたものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 戸井田 義徳: "屋外の公共放送の現状と課題ー防災用野外スピ-カシステムを中心として" 騒音制御. Vol.15ー3. 117-121 (1991)
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[Publications] 戸井田 義徳,野呂田 洋: "防災用野外スピ-カの聴取状況予測ーアンケ-ト調査結果に対するシミュレ-ション計算例" 日本建築学会大会学術講演梗概要. 339-340 (1991)