1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650498
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 裕久 小山工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (40010821)
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Keywords | 耐用年数 / 建物の寿命 / 寿命推定 / 耐久性 / F・M / LCC / 維持管理 / 信頼性 |
Research Abstract |
本研究は,建築物の耐用年数を科学的に決定する手法を考案することを終極の目的とするものである。本年度は研究初年として,主に建築物耐用年数に関する研究文献・資料を蒐集し,社会において現在使用されている建築物耐用年数に関する実態とその耐用年数に関する用語・滅失要因等の研究実態を明らかにしたものであり,また,建築物の経年別分布の実態調査や建築物の滅失要因に関する調査も次年度を待たずに実行をしている。 社会における建築物耐用年数については,概ね全ての資料を蒐集することができた。耐用年数の定義は,使用目的により異なることは当然であるが,抽象的な定義をしているものが多く,その手法は科学的なものは少なく,歴史的に古い決定耐用年数を参考にしているものがほどんどである等の実態を整理・分析した。 耐用年数に関する研究文献は,他の研究分野に比べ多とはいえない,中でも耐用年数の限界に達する滅失原因に関する研究は少なく,また,これらに関する用語も研究者個々に異なっている実態を明らかにし,用語の整理・統一を提言している。 建築物の経年別分布の実態調査は,滅失要因等の実態調査市町村を決定するための基礎的資料であり,主要市町村のデ-タを集め整理・分析途中である。滅失要因に関する(建築物の取り壊し理由)調査は,以上の文献調査および高経年現存建物棟数の多い市町の実態観察の結果を踏えたもので調査用紙を作成し,非木造貸事務所で最近5年以内に滅失したものを対象とたものであり,取り壊し主要因は使用者の使用条件,環境の変化による頻度が最大で,建物自体が発する要因は附隨的である等の結果を明らかにしている。
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Research Products
(1 results)