1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650597
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 一 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80005389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 ハマ子 東北大学, 反応化学研究所, 教務職員
小尾 英樹 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (40185666)
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Keywords | ヒドラゾン系抽出剤 / レアメタル / 希土類元素 / 抽出剤 |
Research Abstract |
1.ヒドラゾン化合物の合成と構造確認 右図に示すヒドラゾンのうち、n=1,3,5,7のアルキル鎖を有する4種の化合物を合成し、元素分析、IR、NMRスペクトルの測定、融点測定などを行い、合成した化合物の構造と純度を確認するとともに、目的化合物が得られていることを確認した。 2.抽出平衡の検討 (1) 合成したヒドラゾンの酸解離定数(Ka)及び分配定数(K_D)を求めた。その結果、アルキル鎖の長さ(n)とKa及びK_Dの間にはそれぞれ次式で表わされる直線関係があることがわかった。log Ka=0.02n+9.02 log K_D=0.64n-0.095 (2) 希土類元素としてPr,Eu,Ybを選び、合成したヒドラゾンを用いて抽出実験を行い、錯体の結合比、半抽出pH、抽出定数(Kex)を求めた。その結果、これらの希土類元素(Ln)はリン酸トリーnーブチル(TBP)及び過塩素酸イオンの存在下で(Ln^<3+>)(HL^-)_2(TBP)_3(ClO_4-_<>)として1,2-ジクロルエタンに容易に抽出されることがわかった(H_2Lはヒドラゾンを表わす)。Kexの値は-2.10〜-5.19の範囲にあり、アルキル鎖の長さを変えても殆んど変化しなかった。 以上の結果より、合成したヒドラゾンは希土類元素と極めて安定な錯体を形成して速やかに有機相に抽出され、抽出剤の有機相への分配はアルキル鎖長を長くすることにより増大かつ制御できるので、少くとも希土類元素の抽出剤として有用と考えられる。他のレアメタルの抽出についても目下検討中である。なお、本研究遂行中に上記ヒドラゾン分子のベンゼン環に電子吸引性のBrまたはNO_2基を導入することによりpKa値を下げ得ることがわかった。これは望外の知見である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hajime Ishii: "Solvent extraction of some tervalent lanthanoids with salicylaldehyde nーalkanohydrazones" Solvent Extraction and Ion Exchange. 9. 481-495 (1991)
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[Publications] Hajime Ishii: "Solvent extraction of some tervalent lanthanoids with 5ーbromoー,3,5ーdibromoーand 5ーnitrosalicylaldehyde acetohydrazones" Solvent Extraction and Ion Exchange.