1991 Fiscal Year Annual Research Report
新規カチオン性イオノマ-の合成とその相間移動触媒への応用
Project/Area Number |
03650688
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
大谷 規隆 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (60091790)
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Keywords | カチオン性イオノマ- / 希薄溶液粘度 / 相間移動触媒 / 高分子触媒 |
Research Abstract |
1.イオノマ-の合成:次の方法により、2つの型のポリスチレン系カチオン性イオノマ-を合成した。 (1)スチレン、クロロメチルスチレンを通常にラジカル溶液共重合し、重合度340の線状クロロメチル化ポリスチレン1を得た。それにトリブチルホスフィンおよび三級アミンを反応させ、2および3のイオノマ-を得た。 (2)三級アミンとωーブロモアルコ-ルとの反応あるいはωーアミノアルコ-ルと1ーブロモアルカンとの反応により4を得、次の二通りの方法でイオノマ-5を得た。第一はテトラヒドロフラン中で4と水素化ナトリウムを反応させた後1と反応させる二段階法、第二は1のトルエン溶液と水酸化ナトリウム水溶液との2相不均一相間移動触媒反応条件で行う一段階法である。 2.イオノマ-の希薄溶液粘度挙動: 合成したイオノマ-を極性の異なる種々の溶媒ならびにそれらの混合溶媒に溶解させ還元粘度を測定した。その結果イオノマ-の溶液中での拡がりは主に溶媒のポリスチレン主鎖と対アニオンに対する親和性によって支配され、解離性基の存在状態は溶媒の対アニオンに対する親和性と誘電率によって決定されることを明らかにした。 3.合成したイオノマ-を種々の求核置換反応の触媒として用い、多くの反応系に不溶であるが良好な触媒として働くこと、触媒効果は四級塩の種類、導入量およびスペ-サ-鎖の長さに依存することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大谷 規隆: "カチオン性イオノマ-の溶液粘度挙動" Polymer Preprints,Japan. 40. 4481-4483 (1991)
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[Publications] 大谷 規隆: "アンモニウム基結合ポリスチレン系イオノマ-の溶液粘度挙動" 高分子学会東北・北海道支部連合研究発表会講演要旨集. 23 (1992)