1992 Fiscal Year Annual Research Report
アシルシランシリルエノールエーテルのアルドール反応による連続不斉中心の選択的生成
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03650694
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中島 正 金沢大学, 工学部, 教授 (70019735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千木 昌人 金沢大学, 工学部, 講師 (90135046)
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Keywords | シリルエノールエーテル / アシルシラン / アルドール反応 / アセタール / 立体選択的反応 / 脱シリル水素化 |
Research Abstract |
アシルシランシリルエノールエーテル(I)とd,1-2-フエニルプロピオンアルデヒドジメチルアセタールの反応による三連続不斉中心を有するアルドール付加体の生成と、その求核試薬との反応による四連続不斉中心の立体選択的構築について検討した。 E-またはZ-アシルシランシリルエノールエーテル(I)とd,1-フエニルプロピオンアルデヒドジメチルアセタールとのTiCl_4触媒によるアルドール反応では3連続不斉中心を有する4種類の異性体の生成が予想されたが、E-1からは2,3-syn-3,4-syn-3-メトキシ-1-シリル-1-ブタノン(II)が、Z-Iからは2,3-anti-3,4-syn-IIがそれぞれ高ジアステレオ選択的に生成し、3、4位炭素の相対配置とともに、2、3位炭素のそれも規制されることが明らかとなった。本反応における2、3位炭素の立体規制は鎖状遷移状態モデルにより、3、4位炭素のそれはFelkin型モデルによって説明された。 IIにアルキルリチウムを反応させ、対応する4連続不斉中心を持つ3-メトキシ-1-シリル-1-ブタナール誘導体(III)を定量的、かつ高ジアステレオ選択的(d.e=80-99%)に得た。IIIのフッ素アニオン試薬による脱シリルプロトン化は、2、3位炭素立体配置に関係なく、定量的かつ立体特異的に進み対応する1,2-anti-3-メトキシ-1-ブタナール誘導体(IV)を生じた(d.e=>99%)。IIと求核剤の反応においては、金属イオンが基質のカルボニル酸素とメトキシ酸素に配位した環状構造が高度の立体特異性の原因になったと考えられる。また、これらの脱シリルプロトン化反応は、その水酸基プロトンとメトキシ酸素との間で水素結合が形成された状態で、立体特異的(保持)に進行したと考えた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tadashi Nakajima: "Reaction of Acylsilanes with Meta-stable Phosphonium ylides and Phosphonium diylides." Bull.Chem.Soc.Jpn.
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[Publications] Tadashi Nakajima: "Diastereoselective Construction of Three Contiguous Chiral Centers using Acylsilane Silyl Enol Ethers." Bull.Chem.Soc.Jpn.
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[Publications] Tadashi Nakajima: "Diastereoselective Construction of Four Contiguous Chiral Centers by the Reaction of Acylsilane Silyl Enol Ethers with α-Chiral Aldehydeacetal." Chem.Lett.