1991 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性基修飾無機酸化物粉体の合成と光学分割及び不斉合成への応用
Project/Area Number |
03650710
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
吉原 正邦 近畿大学, 理工学部, 教授 (50088374)
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Keywords | 無機酸化物表面 / 有機基修飾無機酸化物 / 異性体分離 / 光学分割 / 不斉合成触媒 |
Research Abstract |
無機酸化物粉体表面を各種光学活性有機基で修飾した光学活性有機基修飾粉体を合成し,それらの光学分割能ならびに不斉合成触媒能について研究した。 1.光学活性アミン修飾粒状シリカゲルの合成 粒状シリカゲル粉体を300℃で真空加熱脱水後,フェニルリチウムを作用させ,つぎにクロロメチル化してクロロメチルフェニル化シリカゲル粒子を合成した。つぎに,キニ-ネまたはシンコニジンを作用させて,光学活性アミン修飾シリカゲル粒子を得た。元素分析ならびに各種機器分析によって同定したところ,これら修飾粒子はシリカゲル1g当り0、05〜0、11mmolのアミンが担持されていることが判明した。光学分割能ならびに不斉合成触媒能については目下検討中である。 2.αーシクロデキストリン誘導体修飾シリカゲル粒子の合成 すべての第二級水酸基をベンゾイル化したドデカベンゾエ-トαーシクロデキストリンと粒状シリカゲルとの脱水縮合反応によって,αーシクロデキストリン修飾シリカゲル粉体を合成した。つぎに,この修飾粉体を用いて高速液体クロマトグラフ用カラム充填剤としての性能について検討した。その結果,修飾粉体は置換芳香族化合物の異性体間分離ならびにアミノ酸のPーニトロフェニルエステル誘導体の光学分割剤として使用できることが判明した。 3.光学活性アミノ酸修飾無機酸化物粉体の合成 光学活性アミノ酸とシリカゲル,酸化亜鉛,アルミナとの水中γ線照射反応によって,光学活性アミノ酸修飾粉体を合成した。これら修飾粉体は,ラセミ体Nーベンジルオキシアミノ酸に対し光学分剤能を有していることが判明した。
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Research Products
(2 results)