1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650736
|
Research Institution | Ichimura Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
坂口 真人 市邨学園短期大学, 生活文化学科, 教授 (40113328)
|
Keywords | ESR / 高分子材料の機械的破壊 / ポリビニリデンフルオライド / 炭素ー炭素結合の不均一切断 / メカノカチオン / カチオン重合 / イソブチルビニルエーテル / ポリイソブチルビニルエーテル |
Research Abstract |
本年度は、前年度において生成が予測されたが未だ明確ではないメカノカチオンの検知を試み、実行した。高分子材料の機械的破壊により、メカノアニオンの対として生成する化学種はメカノカチオンであると考えられる。しかしながら、メカノカチオンの検知には電子捕捉法では本質的に不可能である。そこで、典型的なカチオン重合性モノマーであるイソブチルビニルエーテル(IBVE)を用い、メカノカチオンによるカチオン重合の開始および生成された高分子物質の検証から高分子の機械的破壊によるメカノカチオンの生成を立証するという方法を用いた。 ESR、FT-IRの測定結果は、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)の機械的破壊により主鎖の炭素ー炭素結合が不均一に切断し、PVDFメカノカチオンが生成したこと、そしてそのPVDFメカノカチオンがIBVEのカチオン重合を開始し、ポリイソブチルビニルエーテル(PIBVE、分子量;Mw=6.2X10^4、Mn=2.3X10^4)が生成したことを示した。これより、PVDFの機械的破壊により主鎖の炭素ー炭素結合が不均一に切断し、PVDFメカノカチオンが生成したと結論した。
|
-
[Publications] Sakaguchi,Masato: "A Generation Mechanism of Triboelectricity due to the Reaction of Mechano radicals with Mechano anions which are Produced by Mechanical Fracture of Solid Polymer" Colloid & Polym.Sci.,. 270. 621-626 (1992)