1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650766
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 教博 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30023344)
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Keywords | ニュ-ラルネット / プロセス制御 / 適応制御 |
Research Abstract |
近年,化学プロセスは高効率化,さらには製品の高品質化が要求されるため精緻な制御が望まれている。しかし,多くの化学プロセスは非線形であり,さらに動特性が未知な場合も多い。人の脳の神経回路をモデル化したニュ-ラルネットが様々な分野で注目されている。このニュ-ラルネットは関数を近似する能力があり,そのためこれを制御器として用いることも出来る。そこで本研究ではニュ-ラルネットによる化学プロセスの制御問題への適用可能性につて,数値シミュレ-ションおよび実験によって検討した。 本研究で採用したプロセス化学プロセスの特徴的な性質を有している代表的なプロセスである(1)レベル制御系(非線形),(2)レベルと温度制御系(干渉がある),(3)pH制御系(高い非線形性がある)について検討した。 はじめにニュ-ラルネット制御器による制御性能を調べるため,これらのプロセスを記述する数学モデルを作成し,これを用いて,数値シミュレ-ションを行った。その結果(1)および(2)の制御系については満足できる結果が得られた。特に(2)の場合でも干渉の影響をほとんど打ち消すことが可能であった。しかし(3)のpH制御系は非線形格が特に強く,あまり良い性能を得ることは出来なかった。これについてはさらに検討を要する。 次にパ-ソナルコンピュ-タ上にニュ-ラルネットを構築し,(1)および(2)の場合について実験的に検討を行った。実装置ではシミュレ-ションのモデルには考慮されていない制御弁の動特性,配管による輸送遅れあるいは放熱の影響などが存在しているが,実験結果はシミュレ-ションの場合と同様満足のできるものであった。(2)の制御系は干渉系であるが,この場合でも干渉の影響はごくわずかにおさえられた。また外乱に対してもニュ-ラルネットは学習機能により,適応的に制御することが認かめられた。
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Research Products
(1 results)