1991 Fiscal Year Annual Research Report
生物培養培地に対する栄養源気体の溶解に関する基礎的研究
Project/Area Number |
03650775
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒井 康彦 九州大学, 工学部, 教授 (50005435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田尾 徹 九州大学, 工学部, 助手 (90212901)
古屋 武 九州大学, 工学部, 助手 (10219131)
岩井 芳夫 九州大学, 工学部, 助教授 (80176528)
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Keywords | 気体溶解度 / 水溶液 / 培養培地 / 酸素 / 塩化ナトリウム / 硫酸アンモニウム / スクロ-ス |
Research Abstract |
本年度はまず生物培養培地に対する気体の溶解度測定装置を作製した。測定原理は静置法とし、培養培地に気体を接触させ、気体の圧力減少から溶解度を求めた。装置の主要部は、生物培養地を入れるガラス平衡セル、そのセルを恒温に保つための恒温槽、気体を入れるシリンダ-、系内を脱気するための真空ポンプ、脱気時に培地溶液の損失を防ぐために培地を固化する冷却器、および気体の圧力を測定するための圧力測定系から構成される。気体の溶解前後の圧力を正確に測定するために、本研究ではマノメ-タを使用した。なお、封液にはダイフロイル(フルオロカ-ボン)を用いた。 気体としては、まず重要な酸素を取り上げ、純水に対する溶解度を測定し、文献値との比較を試みることで測定法の健全性を確証した。ついで、培地成分として重要な電解質である塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムおよび糖類であるスクロ-スを取り上げ、それぞれを含む水溶液(単1成分、2成分、3成分を含む水溶液)に対する酸素の溶解度を測定した。測定温度は、物理化学的標準温度である25℃および実用温度である30℃,37℃とした。得られた溶解度デ-タは、バラツキも少なく、信頼性のある測定結果と判断された。 本年度得られた酸素の溶解度デ-タに対して、Scaled Particle理論に立脚した工学的に有用な溶解度の推算式を適用したところ、ほぼ満足な結果が得られた。すなわち、計算に必要とされるポテンシャルパラメ-タ(引力パラメ-タおよびサイズパラメ-タ)を適切に与えることで、ほぼ満足すべき精度で推算できた。 現在、引き続き25℃にてリン酸緩衝液に対する酸素の溶解度の測定を試みている。さらに、生物体の温度に近い30℃および37℃において溶解度デ-タを蓄積するとともに、理論的な推算モデルを開発する予定である。
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Research Products
(1 results)