1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650784
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯島 信司 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00168056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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Keywords | 肝実質細胞 / 幼若肝実質細胞 / 肝細胞の培養 |
Research Abstract |
コラゲナ-ゼ灌流法により分離した成熟肝細胞を用い、肝機能の長時間維持、細胞寿命の長期化を図るため、Lー15培地とWE培地にそれぞれ卵黄リポプロテイン、低密度リポプロテイン、牛血清リポプロテインさらに血清の効果を調べた。これらの培地をコラ-ゲンコ-トなしのシャ-レ上で培養したところ、3種類のリポプロテインを添加した場合いずれも培養7日目までに平均150μmのスフェロイドが形成され、遊離細胞も少なかった。しかし、血清入りの培地では培養10日目まで単層に増殖した。卵黄リポプロテインを添加した無血清培地を用いた場合1日、1μgDNA当り4μgのアルブミン生産芸を培養7〜16日目まで維持することできた。これらの結果より、成熟肝細胞の生存、高い肝機能維持には基本培地としてLー15培地、添加物としてはリポプロテインが有効であることが明かとなった。 肝実質細胞の生体外での継代培養は、多くの研究者の努力にも関わらず成功していない。しかし、幼若肝実質細胞はオ-トクラインな増殖をすると報告されている。そこで、ラット胎児肝からの幼若肝実質細胞を増殖させることを試みた。ラット胎児肝から幼若活実質細胞を分離するためコラ-ゲナ-ゼを用いた場合、非肝実質細胞のコンタミネ-ションが激しかった。そこで、上皮細胞と基底膜との間の糖タンパクを切断しコラゲナ-ゼの作用を補うと共に長時間作用させても細胞障害性が少ないなどの特徴を持つディスパ-ゼを用いたところ、非実質細胞を95%の純度で分離し4日間で2倍に増殖させることができた。現時点では、幼若肝実質細胞は2倍程度しか増殖せず、内皮細胞等のコンタミネ-ションがあるなど、継代培養までは難しい問題が多く残されている。
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[Publications] 真野 隆: "アルギン酸とポリウレタンを用いた固定化動物細胞に対するゼラチン添加の効果" 化学工学論文集. 17. 931-936 (1991)
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[Publications] S.Iijima: "Immortalization of human endothelial cells by originーdefective simian virus 40 DNA" Agric.Biol.Chem.55. 2847-2853 (1991)