1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660032
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Research Institution | MEIJI University |
Principal Investigator |
大山 陽生 明治大学, 農学部, 教授 (50061784)
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Keywords | 都市景観 / 緑地形態 / 街路パターン / 理想都市 |
Research Abstract |
都市景観モデル調査の対象地域として、本年度は東北地方と北海道を主対象とした。東北地方では、弘前市、秋田市、仙台市、釜石市、会津若松市を調査し、近接都市として宇都宮市の調査も行った。北海道地域では札幌市と旭川市の調査を行った。また、日本西部の補足調査地としては広島市及び岡山市を選んだ。都市デザインモデルとしては比較的研究室にに近い小田原市を選んだ。調査した都市のうち、弘前、秋田、仙台、会津若松、宇都宮、広島、岡山の各都市は程度の差はあれ、城下町都市である。小田原も城下町都市である。文献調査を含めて、日本の城下町都市と、ヨーロッパの城壁都市とを比べてみると、名称も示すとおり、ヨーロッパでは都市全体が城壁で囲まれてをり、都市景観と農村景観が画然と区別されていたのに対し、日本に於ては城の回りのみが石垣や掘割などで囲まれていて一般の町家、下級武家屋敷等は無防備に近い状態にあったといっても過言ではない。近代になって洋の東西を問わず都市のスプロール現象が発生し、都市のフリンジ部分の景観が悪化しているが、とくに日本では東京にみられるように無制限にスプロールするのは地形との関連も含めて、中世以来の都市構造が影響しているものと考えられる。街路パターンは、平安京や平城京にみられるような全体が枠子パターンになっているものは少なく、河川等の影響を受けながら、いくつかの軸に分かれて、枠子パターンが組合されている例が多く、近代に発達した、札幌、旭川についても同様なことが言える。小田原は東京のベッドタウン化が比較的少なく、三方が山に囲まれているので、植生図や他都市の調査結果をもとに、緑地形態を考案し、構造物を集約化して、緑被率を高め、理想都市に近ずけるモデルパターンを考案した。
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Research Products
(1 results)