1991 Fiscal Year Annual Research Report
子房切片培養法によるキウイフル-ツと近縁種の雑種植物の誘導
Project/Area Number |
03660035
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Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
渡辺 慶一 日本大学, 短期大学部, 講師 (60123189)
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Keywords | キウイフル-ツ / マタタビ属 / 子房切片培養 / 種間雑種 |
Research Abstract |
Actinidia属の種間交雑における未熟胚からの植物誘導を目的に,第1段階として交雑和合及び不和合な組合せ間の交配を行い,それらの子房切片培養を試みた。その結果,サルナシ(2n=58)×Matua及びサルナシ(2n=116)×サルナシ(2n=116)の交配組合せにおいては,培養切片からの種子の発育は,生長調節物質無添加区では培養後2週間目頃から白色状の種子が出現し、1〜2mm程度に生長した。これら生長がみられた種子は1切片当たり1〜4個であった。Bruno×Matuaの交配組合せでは生長調節物質添加区で種子の発育はみられたが生長は遅かった。一方,各交配組合せにおいても,GA25mg/l区では,一部種子の生長がみられるものの,切片がカルス化して種子を覆うようになった。GA50mg/l区では切片のカルス化が顕著で種子の生長はみられなかった。切片上で2〜3mmに生長した種子(培養後30〜60日)を各培地区へ移植した。移植された種子の多くは2〜5日で褐変枯死したが,一部は生長を続けた。すなわち,サルナシ(2n=116)×サルナシ(2n=116)の交配組合せでは,Zeatim 1.0mg/l区においてShootが分化,発根もみられた。これらは基部がカルス化したので地上部を切ってLBA処理した後,バ-ミキュライトまたは1/2MS寒天培地へ移植して発根を促した。生長調節物質無添加区では種子の発育がみられ,発根したが生長が遅く完全な植物体となっていない。サルナシ(2n=58)×Matua,サルナシ(2n=116)×サルナシ(2n=174)及びBruno×Matuaの各交配組合せでは種子の生長がみられるものの,植物誘導までに至っていない。これらの結果は植物組組培養学会が発表した。今後は,さらに植物誘導率向上のための各種培養条件,他の交配組合せにおける植物誘導について検討する必要がある。また,キウイフル-ツ及び近縁種(サルナシ,マタタビ)や子房切片から誘導された植物のパ-オキシタ-ゼアイソザイム分析については現在,実験を継続中である。
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Research Products
(1 results)