1992 Fiscal Year Annual Research Report
子房切片培養法によるキウイフルーツと近縁種の雑種植物の誘導
Project/Area Number |
03660035
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Research Institution | Nihon University, Junior College |
Principal Investigator |
渡辺 慶一 日本大学短期大学部, 助教授 (60123189)
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Keywords | キウイフルーツ / マタタビ属 / 子房切片培養 / 種間雑種 / バーオキシターゼ / 酵素 |
Research Abstract |
本研究では、キウイフルーツ及び近縁種の葉に含まれているパーオキシターゼアイソザイムについて検討した。成葉をリン酸Buffer(pH7.0)で磨砕し、4℃、14000rpmで20分間遠心分離を行った。上澄み液を試料とし等電点電気泳動法によりパーオキシターゼアイソザイム分析を行った。泳動様式は水平式で超薄層(0.5mm)ポリアクリルアミドゲルを使用した。活性染色は、o-dianisidine、0.2M酢酸ナトリウム、過酸化水素水を用いた。染色したゲルを乾燥後、クロマトスキャナにより測定した。1.キウイフルーツに現われるザイムグラムのバンドは全体で陽極側に5〜6本、陰極側に1〜3本みられた。そのうち陽極に早く泳動したバンド域において、ヘイワード、ブルーノ及びマツアでは3本、ゴールデンキングでは4本認められた。また、陰極側においてブルーノ、ゴールデンキングでは活性の強いバンドが1本、ヘイワードでは活性が強いバンドが1本と弱いバンドが1本認められた。マツアでは明らかな3本のバンドがみられ、雌雄間に若干の差異が認められた。2.サルナシでは陽極に早く泳動したバンド域では4本のバンドが認められ、これらがサルナシの特徴であった。陰極側では1本のバンドがみられ、また活性の弱いものもあり差は認められなかった。3.マタタビでは陽極側に早く泳動したバンド域では5本のバンドが認められ、陰極側では活性が弱かった。4.シマサルナシでは陽極側に早く泳動したバンド域では4本のバンドがみられたが陽極側の1本は非常に活性が弱かった。陰極側では1本のバンドがみられた。以上から、陽極側に早く泳動したバンド域の比較によってActinidia属の種の判定の可能性が示唆された。また、雌雄株の判定には陰極側のバンドに一部差異がみられたが、さらに検討が必要と思われた。今後は多くの種、品種や種間雑種個体について検討するとともに、品種の判別についても調査を進めてゆきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)