1991 Fiscal Year Annual Research Report
イセエビ類プエルルス幼生のコレクタ-開発に関する研究
Project/Area Number |
03660199
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
税所 俊郎 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (40041694)
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Keywords | プエルルス幼生 / コレクタ- / 付着動物 / イセエビ / 沿岸回帰 / 採苗器 |
Research Abstract |
鹿児島県上甑島浦内湾および佐多町外之浦の2箇所においてコレクタ-によるイセエビのプエルルス幼生および稚エビとその他の生物蝟集効果を調査し、コレクタ-の材質を比較検討した。 1.鹿児島県上甑島浦内湾における調査結果 前年より真珠養殖用筏に設置したコレクタ-4種26基(木棚、杉枝、古網、キンランの各種)において5月〜12月の間、毎月1回コレクタ-を引き揚げて蝟集生物の採集調査を実施した。コクレタ-に蝟集した生物群は96種類確認された。期間中、個体数では9月が最も多い。蝟集生物を多い順にあげると付着生物ではフジツボ類、コケムシ類、二枚貝類、ホヤ類などであり、自由生活動物では、モエビ類、コツブムシ、コシオリエビ、カニ類等であった。コレクタ-の材質による蝟集効果を1基毎の平均個体数で比較すると杉枝・キンラン・古網、木棚の順であった。コレクタ-に共通して言えることは、調査開始直後のものより期間が経過したものほど蝟集効果は良好であった。プエルルス幼生と稚エビは5月〜10月の間に計13個体採集され7月に最も多かった。 2.鹿児島県佐多町外之浦における調査結果 前年より養殖用筏に設置したコレクタ-(木棚、杉枝、古網、キンラン、エスランの5種類、12基)について5月〜12月の間、毎月1回調査した。コレクタ-に蝟集・付着する生物群は移動性のモエビ類・ベニツケガニ、多毛類が多く、付着性のものではフジツボ類が多かった。イセエビのプエルルス幼生・稚エビは期間中8個体が採集された。上甑島および佐多町でのイセエビ幼生採集尾数はいずれも予想より少なく、コレクタ-の構造や内部間隙の広狭に問題があると思われるので次年度に向けて改良したい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岡 慎一郎・税所 俊郎、弘田 礼一郎: "Pseudodiaptomus(Crustacea,Copepoda)in the Brackish Waters of Mangrove Regions in the Nannsei.Islands,Southwestwern Japan." 日本生物地理学会報. 46(8). 83-88 (1991)
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[Publications] 岡 慎一郎・税所 俊郎、弘田 礼一郎: "Zooplankton Investigation in the Brackish Waters of the Nakama River,Iriomote Island,Southwestern Japan." 日本プランクトン学会誌. 39(1). (1992)
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[Publications] 税所 俊郎: "薩南海域におけるイセエビ類幼生の分布・生態" 日本生態学会九州地区会報. (1992)
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[Publications] 税所 俊郎: "空から見る日本の湖沼 56 池田湖・鰻池・鏡池" 九善株式会社, 238 (1991)