1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660241
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
板垣 博 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90021716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見澤 一裕 岐阜大学, 農学部, 助教授 (00159005)
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Keywords | スペクトル解析 / R / S解析 / ハースト則 / 生物化学的酸素要求量 / 化学的酸素要求量 / 除去速度係数 / 吸光度 / 硝化菌 |
Research Abstract |
水路の流れにおける水理構造に関する研究については、オイラー的な方法によって水路流下方向の流速と水路横断方向の流速及び流跡の連続測定を、プロペラ式流速計とビデオカメラによる撮影によって行った。これらの時系列データの変動成分について、大型計算機により数値解析して、スペクトル解析とR/S解析を行った。この結果によれば、スペクトル密度関数に明瞭なピークが見られる場合には、両対数グラフ上でハースト則が2本の直線で表示され、スペクトルに明瞭なピークが見られず、ホワイトノイズに近い場合には1本の直線で表示されることが得られた。このことは自己相関係数の形状にも関係しているものと考えられる。さらには、乱流拡散係数について検討中である。また、水路での水質浄化機構に関する研究においては、pH、溶存酸素量、生物化学的酸素要求量、化学的酸素要求量、浮遊物質量、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、全窒素、リン酸イオン、全リン等の化学分析を行った。特に、生物化学的酸素要求量については、(1)単管の一次反応式による場合、(2)最小自乗法による場合、(3)対数差法による場合、(4)傾斜法による場合、(5)間差法による場合等の使用する式の違いによる除去速度係数の相違について検討した。また、亜硝酸性窒素と硝酸性窒素については、各窒素量と吸光度の関係について個別に検討した。そして生下水の自然の浄化機構については、一般に硝化菌の増殖は遅くて、有機物を分解するのに10日以上遅れてその反応が活発になることが得られた。なお、プランクトン等の存在は自然の浄化作用を悪化させるという結果を得た。これは汚水中に微生物やそう類などの栄養源が多く含まれている場合、その異常増殖が発生しやすい状況にあり、これらが自然の浄化作用を妨げているものと考えられ、さらに水質の浄化機構についての詳細な検討をしなければならないと考えている。
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