1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660287
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
針谷 敏夫 明治大学, 農学部, 専任講師 (70135557)
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Keywords | 胎盤性ラクトゲン / マウス / レセプタ- / プロラクチン / EIA |
Research Abstract |
哺乳動物において妊娠中に胎盤より分泌されるホルモンが多数発されているが、その中で下垂体より分泌されるプロラクチンに構造が非常に良く似た物質として胎盤性ラクトゲンがよく知られている。このホルモンは妊娠後期に血中に多量に存在することが明らかにされているが、その作用はプロラクチンと同様に乳腺において泌乳刺激作用がある以外は末だ不明である。しかし、妊娠中には乳汁分泌が起こらないてことを考えると、他に主な役割があると推定できるが、卵巣における黄体刺激作用が示唆されている以外報告は皆無である。本研究は胎盤性ラクトゲンの作用機序を解明するため、そのレセプタ-に的を絞り、レセプタ-の精製、抗体作成を行ない、最後に免疫組織化学的研究より標的器官を特定し、胎盤性ラクトゲンレセプタ-の各種臓器における発現機序を解明することを目的とした。1.胎盤性ラクトゲンレセプタ-が大量に存在する妊娠マウス肝臓を摘出後、マイクロソ-ム分画を収集した。Chapsを用いてマイクロソ-ム分画を可溶化後、アファニティラベルにより胎盤性ラクトゲンレセプタ-蛋白の性質を調べると約45Kおよび80Kの2種類のレセプタ-蛋白が存在することが示唆された。現在この蛋白をアフィニティカラムにより精製中である。2.プロラクチンは胎盤性ラクトゲンのレセプタ-に結合することが分かっているので、レセプタ-を精製するためのマウスプロラクチン・アフィニティカラムを作成する目的で、マウスプロラクチンcDNAを用いて大腸菌より組換えマウスプロラクチンを大量生産することを試み、免疫学的にも、生物学的にも天然のプラクチンと同じ活性をもつものが得られ、レセプタ-精製の実験に使用できることが判明した。さらにこの抗体を作製し、エンザイムイムノアッセイ(EIA)系を確立し、感度、再現性とも良好な結果が得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Harigaya,T.: "Effects of ovariectony and administion of sex hormoues on prolactin cell types in mice" Anim.Sci.Technol. 62. 711-713 (1991)
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[Publications] 針谷 敏夫: "マウス肝臓可溶化膜分画における胎盤性ラクトゲンIIの結合能" 明治大学農学部研究報告. 90. 7-12 (1991)
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[Publications] Harigaya,T.: "The important role of the adreval gland on increases in the lactonse content and the RNA/DNA ratio in the mouse mammary aland at ovarisctomy induced locfogenses" 明治大学農学部研究報告. 91. 17-22 (1991)
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[Publications] Yamamoto,M.,Harigaya.T.,Ichikwa.T.,Hoshino,K.,Nakashima,K: "Recombinant mouse prolactin:Expression in Escherichia coli,purification and biological activity" J.Mol.Endocrinol. 8. (1992)